Lyxbullarって何?
スウェーデン語のテキストを読んでいたら、「Lyxbulleをください」という例文が出てきました。Lyxbulle(リクスブッレ)を直訳すると「贅沢なパン」。いったいどんなパン? 先生に「Lyxbulleって何?」と聞いてみると、先生は画像検索の画面を見せながら、「こんな感じ。特に決まったパンではなくて、ベーカリーごとに違うんだけどね」とのこと。
多くの写真はベリーなどのフィリングを入れたロールパンで、中心にカスタードクリームが乗せられています。
なるほど、こういうものか。
そういえば、去年の夏にストックホルムの人気ベーカリー「ヴェーテカッテン」で食べた季節限定の「Sommarbulle(ソンマールブッレ/夏パン)」は、真ん中にルバーブのジャムとカスタードを入れて巻いたものでした。多分、こんなイメージなのですね。

ブルーベリーを巻き込みたい
Lyxbullarの写真をヒントに、ブルーベリージャムを巻き込んで、真ん中にカスタードクリームを入れたロールパンを作ってみようかなと思い立ちました。というのも、アクアビットさんのお仕事で使ったブルーベリージャムの残りがあったので。
試しにスウェーデン語で「blåbärsbullar/ブルーベリーパン」を調べると、ほとんどのレシピで使われているのは、ジャムではなく生のブルーベリー。スウェーデンの森などに自生するのは、日本で一般的なブルーベリーとは少し違い、粒が小さく、果肉まで紫色のビルベリー。小さいので、パンに巻き込むのにも向いています。
でも、今回使いたいのはジャム。それなら以前作ったカスタードシナモンロールの応用で、シナモンバターの分量をジャムに置き換えればいいかな、と簡単に考えました。
いつものカルダモン入りの北欧菓子パンの生地を伸ばし、シナモンバターの代わりにブルーベリージャムを塗り、リボン状に切ってくるくるねじって巻いてみたところ……ジャムが流れ出る、流れ出る。
生地を切れば出てくる。ねじれば出てくる。巻こうとすれば出てくる。手も台もべたべたで、成形どころではありません。
最初に思い描いていた「ブルーベリーを巻き込んで、真ん中をきれいに凹ませて、そこにカスタード」という姿からは、どんどん遠ざかっていきます。途中でもう嫌になってしまい、適当に巻いて、適当にクリームを入れて、泣きながら作りました。夫には「見た目は悪いけれど、味は美味しいよ」とフィーカに出しました。
うん……味は悪くない。でも、これは完全に失敗。
いったんスウェーデンを離れてみる
生のブルーベリーを使うスウェーデンのレシピは参考にならないので、いったん離れ、日本でよく見るジャムを巻き込んだパンについて調べてみました。
すると、ジャムに小麦粉や片栗粉を混ぜ、電子レンジで加熱し、板状にした「ジャムシート」なるものを発見。つまり、ジャムをそのまま塗るのではなく、フィリングそのものを「巻き込めるシート」にするわけです。世の中にそんなものがあるのかと感心(調べてみると、欧米にはあまりなさそう……)。
このアイデアを使おう。
ただ、アクアビットさんの美味しいジャムの良さを残したいので、加熱する時間も粉の分量も日本のレシピより少なめに。さらにスウェーデンの数少ないジャムを使ったレシピを参考に砂糖とバターを加え、硬めのブルーベリーペーストに仕上げました。
これを、いつもの生地に塗ってみます。
ジャムだけのときとは大違い。生地を切っても、ねじっても、巻いても、ほとんど流れ出てこず、成形できる!
今度こそ成功です。
こうして、完成したリクスブッレ、もとい、ブルーベリー&カスタードロールです。

それでは、レシピです。

ブルーベリー&カスタードロール
材料
カスタード
- 卵黄 1個分
- 砂糖 25g
- 薄力粉 大さじ1
- 牛乳 100ml
- バターまたはマーガリン 10g
- バニラシュガー 小さじ1/2 またはバニラエッセンス 数滴
ブルーベリージャムペースト
- ブルーベリージャム 100g
- 強力粉 15g
- 片栗粉 8g
- 砂糖 10g
- バターまたはマーガリン 20g
生地
- 牛乳 200ml
- インスタントドライイースト 5g
- 砂糖 40g
- 塩 小さじ1/2
- 粗挽きカルダモン 小さじ1~2
- 強力粉 200g
- 薄力粉 100g
- バターまたはマーガリン 50g
仕上げ
- 卵白 カスタードで残ったもの
- グラニュー糖 適量
作り方
カスタードクリームを作る
- 卵黄と砂糖をよく混ぜる。バニラシュガーを使う場合はここで加える。
- 薄力粉を振るい入れて混ぜ、牛乳を少しずつ加えながら混ぜる。
- ふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで1分加熱する。取り出してよく混ぜ、さらに30秒加熱して混ぜる。これを3回繰り返し、合計で2分半加熱する(様子を見てとろみが足りない場合は10秒ずつ加熱する)。
- 熱いうちにバターを加えて混ぜる。バニラエッセンスの場合はここで入れる。
- 表面にラップをぴったりと密着させ、その上に保冷剤(ビニール袋に入れた氷でもよい)をのせて冷ます。粗熱が取れたら冷蔵庫に入れておく。
ジャムペーストを作る
- 耐熱容器にブルーベリージャム、砂糖、強力粉、片栗粉を入れてよく混ぜる。
- 電子レンジ600Wで1分30秒加熱する。取り出してよく混ぜ、バターまたはマーガリンを加えてさらに混ぜる。
- 冷蔵庫で冷ましておく。
生地を作る
- 牛乳を40℃くらいに温め、インスタントドライイーストを入れて泡立て器で混ぜる。砂糖、塩、カルダモンを加えて混ぜる。
- 強力粉と薄力粉を⅓くらいずつ加え、泡立て器で混ぜる。重くなってきたら手に替えて捏ねる。
- 全体がなじんだらバターまたはマーガリンを加え、さらに捏ねる。ある程度まとまったら台の上に出し、10分ほどしっかり捏ねる。
- ボウルに戻してラップなどで覆い、オーブンの発酵モード、または暖かい場所で45分程度、2倍くらいになるまで発酵させる。
仕上げて焼く
- 発酵した生地を台に出し、軽く捏ねてから、30×40cmくらいに伸ばす。
- 上下の端を1cmほど残して、ジャムペーストを全体に塗る。生地を三つ折りにし、端をしっかり閉じる。
- 麺棒で軽く伸ばし、約4cm幅で10本に切り分ける。
- それぞれの帯の中央に切り込みを入れ、ねじりながら渦巻き状に巻く。巻き終わりは下に入れる。
- クッキングシートを敷いた天板に並べ、ラップをしてオーブンの発酵モード、または暖かい場所で30分程度、1.5倍くらいになるまで発酵させる。
- オーブンを220℃(コンベックの場合は200℃)に予熱する。
- 発酵した生地の中央に、スパイスボトルなどの底に強力粉をつけて押し当て、しっかりと凹みを作る。必要なら指で押し広げる。
- 凹みにカスタードクリームを入れる。表面に、カスタードを作ったときに残った卵白を塗る。グラニュー糖を適量散らす。
- オーブンで、10~13分焼く。焼き上がったら網にのせて冷ます。
動画
ヒント

このブルーベリーペースト、なかなかいいアイデア。ジャムをそのまま巻き込むのは難しかったけれど、こうしてペースト状にしておけば、いろいろなジャムをパンに巻き込めそうです。

以前から作ってみたいと思っていたお菓子に応用できそう。うまくいったらアップしますね。


