明後日の3月16日はフィンランド系アメリカ人たちが祝う「聖ウルホの日」です。

19世紀末から20世紀初頭、何万人もの北欧人たちが生きるためにアメリカのミネソタ州に渡っていきました。何故寒い所から寒い所に行くのか、人は故郷と似ているところが暮らしやすいのでしょうか。

1956年、フィンランド移民の子孫でミネソタ住人のRichard Mattsonは買い物中に、アイルランドの聖パトリックの日のようなことを我が町で出来ないかと思いつきました。

ちなみに聖パトリックの日は、やはり19世紀にアメリカに移民として渡った数万人のアイルランド人が持ち込んだもので、今では盛大にアメリカ各地でお祝いされています。(シカゴ川がシンボルカラーの緑に染まるとか!)

Richardは聖パトリックを真似て、全くのデタラメ聖人を作り出しました。
【聖人】聖パトリック → 聖ウルホ
【偉業】アイルランドから蛇を追い出した → フィンランドからバッタを追い出した
【シンボルカラー】緑 → ロイヤルパープル&ナイルグリーン
【聖人の日】3月17日 → 3月16日(当初は5月24日)
ちなみにウルホは当時のフィンランド大統領ウルホ・ケッコネンから取ったようです。

聖ウルホの日にはFeelia Sour(サワーミルク)を飲み、Kalamojakka(フィッシュスープ)を食べる、というルールも作りました。

Feelia Sourって? Kalamojakkaって?と思った方はフィンランド通。これ、どちらもフィンランド系アメリカ人の造語でフィンランドでは使いません。

恐らくFeeliaは音の似ているViili(ヨーグルトっぽい乳製品)が変化し、さらにPiimä(サワーミルク)を指す言葉に意味が変わってしまったのではと言われています。またMojakka/モヤッカはアメリカに多くの移民を出したフィンランドの西にあるカラヨキの言葉でとろみのあるスープ。元々は肉のスープで、それにフィンランド語の魚(Kala/カラ)を頭に足してフィッシュスープにした造語。内容はフィンランドのフィッシュスープ、Kalakeitto/カラケイットとほぼ同じです。

レシピを調べるとリークを入れるものがいくつかありました。北欧料理でリークはあまり使わない気がするのですが、もしかしたらアイルランドのリークとポテトのスープの影響かしらと思い、この文化混在感がアメリカっぽいかもと採用しました。もっともリークは手に入らないのでネギで代用です。それからニンニクを使うレシピもあったのですが、あまりにも北欧から遠ざかる気がしたので不採用。仕上げにディルでなくパセリを振るレシピもあったのですが、もうそれって既にフィンランドじゃなくなってない?と思ったので不採用。(ディルも手元にあったし。)なので、お好きならニンニクとパセリを使ってもいいでしょう。フィンランド感が薄れますが…。

前置きが長くなりました。それではKalamojakka(カラモヤッカ)を作っていきましょう。

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分量 4 人分

材料

  • 白身魚(タラ、メルルーサなど)300g
  • ジャガイモ 小3個 (大2個)
  • 玉ねぎ ½個
  • ネギ ½本(白い部分)
  • 小麦粉 大さじ1
  • 水 450cc
  • 牛乳 200cc
  • 塩コショウ 適量
  • オールスパイス 適量 (オプション)
  • バター 適量
  • ディル 適量

作り方

  • ジャガイモは大き目の一口大(二口大くらい?)に切り、塩を加えた湯で10分下茹でする。 ネギは小口切り、玉ねぎは大き目のみじん切りにする。
  • 白身魚は皮と骨を取り、必要なら洗い、大き目の塊に切る。
    ※今回は皮むきタラが手に入ったのでそれにしました。念のため先に塩を振り水分を拭き取って下処理しましたが、アメリカ人はやらないと思うな!(偏見)
  • 鍋にバターを溶かし、玉ねぎとネギを炒め、柔らかくなったら小麦粉を振り入れ、少し炒めて馴染ませる。 焦がさないように気をつけること。
  • 水を注ぎジャガイモを入れ、沸騰したら火を弱めコトコトと10分ほど煮る。魚を加え、コトコトと魚に火が通るまで煮る。
  • 牛乳を加え火を強め沸騰する直前で火を止め、塩コショウ、オールスパイスで味を調える。
  • 器に盛って、バターを少し落とし、みじん切りにしたディルを振る。

魚から出汁が出るので塩コショウだけでも充分美味しいです。今回は牛乳でさらりと仕立てましたが、アメリカではハーフ&ハーフ(生クリームと牛乳を混ぜたもの)やエバミルクを使って濃厚にするようでした。濃い方がお好みでしたら牛乳の半分を生クリームにしても良いと思います。

本場フィンランドのフィッシュスープ、Kalakeittoのレシピは著書『北欧のおやつとごはん』に掲載しています。ご興味があれは下記リンク先からお求めいただけます。(電子書籍のみ)

バカバカしいけれど、バカバカしいほど面白いです。

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