デンマークの友人に教わった洋梨タルトPæretærte

近所の八百屋で、洋梨を見つけました。山形県産。品種名は書かれておらず、ただ「西洋梨」とだけあります。

東京に住んでいた頃も、何年かに一度くらい、洋梨を見かけることがありました。そして、そのたびに思い出すのは、デンマークの友人、Lis(リス)が作ってくれた洋梨のタルト/Pæretærteです。デンマーク語は発音が難しく、読み方が分からないけれど!

この写真は2009年、Lisが作ってくれたときのもの。

作ってみようかな思いながら、気がつけば20年近く。思い出すばかりで、一度も作らないままでしたが、今度こそ作ってみようかと手に取りました。

さっそくリスにメールを送ると、とても喜んでくれて、すぐにレシピを送ってくれました。メールには、偶然彼女も梨を買ったので、自分でも作ってみるわと一言添えてありました。

デンマークで長く親しまれている家庭のお菓子

送ってくれたレシピにはこう説明がありました。

このタルトは、デンマークの乳製品メーカー、Arla(アーラ)の「Karolines Køkken(カロリーネス・キュッケン)」が作ったレシピカードに掲載されたもの。1975年に紹介されると大変な人気となり、1983年には、デンマークの全家庭に配布されたレシピブック『Arla Karolines Køkken 2』にも収録された。

だいたい50年前に生まれたレシピのようです。「デンマーク全家庭に配布」されて、デンマークの誰もが知っている定番のお菓子になった経緯が面白い。人口500万くらい、私の住んでいる兵庫県くらいの人口しかない、小さな国ならではのエピソードかも知れません(現在は600万くらいかな)。

レシピを改めて見て、アパレイユもクレーム・ダマンドもないのに気が付きました。タルト生地で洋梨を挟むだけの手軽さ!思い立ったらすぐできる、このシンプルさも長く作られている理由の一つかも知れませんね。

洋梨がオリジナルよりも大きい

オリジナルのレシピは、直径約23cmのタルト型を使い、洋梨を4個、合計約600g用意します。皮をむいて半分に切り、種を取って丸みのある面を上にして並べたら、上からもう一枚の生地をかぶせます。

Lisが作ってくれたタルトも、写真を見返せば、洋梨がこんもりと並んでいるのが分かります。

ところが、今回買った洋梨は、1個で350gもある大きなもの。デンマークでリスが作ってくれた時の、小ぶりな電球のような形の品種ではありません。しかも、今回は日本の家庭でも作りやすいように、型を直径23cmから18cmに小さく変更することにしていました。

つまり、型に合わせて材料は約60%にサイズダウン。この洋梨を使うなら1個で十分です。そうなると、オリジナルのレシピ通り半分に切って並べるのは難しい。そこで縦に6等分し、それぞれをさらに縦に3つに切り分けて、寝かして広げながら並べました。

マウスで描きました。ペンタブ買おうかなー。

オリジナルとは少し違う方法になりましたが、大き目サイズをお求めになった場合の参考にしてください。

この写真は1回目。この時は縦に4等分したが薄すぎたので2回目は3等分に変更。

サクサクの生地

焼き上がったタルトは、表面の生地がサクサク。縁の部分は硬めです。

記憶が曖昧になっているので、少し不安になってリスに確認したところ、これで正解とのこと。ご主人のペーには、縁の生地が硬すぎるとか。きっと、毎回「硬すぎる」と言っているのでしょうね。

リスのおすすめは、温かいうちに泡立てた生クリームを添える食べ方。初めて作る場合は早めに作り始めて、焼く前の段階まで冷蔵庫に保管しておき、食べる40分前に焼き始めるといいかも知れません。もっとも、室温に冷めてからでも美味しいので、そこまで神経質にならなくても良いと思いますが(夫は電子レンジで温め直していました)。

なお、オリジナルのレシピではバニラシュガーを使います。バニラシュガーは日本ではあまり一般的ではないので、手に入らない場合はバニラエッセンスを卵と水を加えるときに少量入れればよいです。

それでは、レシピです。

印刷

デンマークの洋梨タルト

Pæretærte
分量 4 ~6人分

材料

  • バター 90g
  • 薄力粉 150g
  • 砂糖 75g
  • バニラシュガー 小さじ½ なければバニラエッセンス
  • ジンジャーパウダー 小さじ¼
  • 卵液 30g
  • 冷水 小さじ2
  • 洋梨 350g前後 大きさによって個数はことなる
  • 冷水 適量(仕上げ用)
  • グラニュー糖 適量(仕上げ用) 好みの量
  • 生クリーム 150ml(添える用) 泡立てておく

作り方

  • バターを小さく切り、薄力粉とすり混ぜる。
  • 砂糖、バニラシュガー、ジンジャーパウダーを加えて混ぜる。
  • 溶き卵と水を加え、手早くひとまとめにする。
  • 生地を冷蔵庫に入れ、約1時間休ませる。
  • タルト型にバター(分量外)を塗る。生地を2等分し、それぞれ型より少し大きな円形に伸ばします。
  • 生地の半分を型の底に敷き、側面にも沿わせる。
  • 洋梨の皮をむき、芯を取り除く。縦に6等分し、それぞれを縦に3~4等分し、扇状に広げながら生地の上に並べる。
  • 残りの生地を上からかぶせ、縁をしっかり押さえて閉じる。
  • 表面に冷水を塗り、グラニュー糖を振りかける。
  • 200℃に予熱したオーブンの中段で、約40分焼く。

動画

ヒント

温かいうちに、泡立てた冷たい生クリームを添えていただく。冷めてから食べてもおいしい。
バニラシュガーがない場合は、卵と水を加えるときにバニラエッセンスを少量加える。
洋梨は小なら3個程度です。その場合は半分に切り、切った面を下にして並べます。大きさによって切り方を工夫してください。
コンベクションオーブンの場合は180℃で焼く。
マーガリンでも作れるが、生地が柔らかくなり伸ばしづらい。冷蔵庫で長く休ませるか、ラップの間に挟んで伸ばす。
 

食べてみて感じたのは、洋梨そのものの香りと瑞々しさです。

缶詰の洋梨を使ったお菓子もおいしいけれど、生の洋梨を使うと、焼き上がりの香りが格別。そこに、ほんのりとジンジャーの風味。

久しぶりに食べた、懐かしいデンマークのお菓子。思い出が蘇るおいしいタルトでした。

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