フィンランドのサクサクしたチーズパン「Juustosarvet(ユーストサルヴェット)」を焼きました。イーストを使わずベーキングパウダーで膨らませる、スコーンやソーダブレッドのようなお菓子です。バターではなくサラダ油を使うので、スコーンより簡単で、暑い日本の夏でも作りやすいです。
最初にこのパンを見つけたのは、数か月前にオンラインで購入したフィンランド料理の小さな電子書籍。「Juustosarvet(ユーストサルヴェット)」とは直訳すると「チーズの角(つの)」。チーズの入ったしょっぱい系のパンで、解説には「1990年代に小学校の家庭科で作った」と書かれていました。

面白そうだなと、ネットで他のレシピも調べてみると、本のようにベーキングパウダーを使ったものだけでなく、イーストを使うレシピも見つかりました。どちらがフィンランドで一般的なのだろう。ネットやAIで調べてもはっきりした答えは見つかりませんでした。
そんな折、フィンランドでパン職人として働くランカラみほこさんに会う機会があり、いいタイミングなのでユーストサルヴェットについて聞いてみました。
「私がフィンランドに行ったころはお店でも見かけたけれど、最近はあまり見ないかな」とのこと。家庭科で習った思い出の味という話と合わせると、現在では少し懐かしい存在になっているのかもしれません。

さらにイースト版とベーキングパウダー版について尋ねると、「もともとは鹿角塩で膨らませていたと思うけれど、最近は手に入りやすいベーキングパウダーを使うようになったのでは」と教えてくれました。鹿角塩はスウェーデンでは今でもスーパーで見かけるので、フィンランドでは事情が違うのが興味深いところです。
また、みほこさんによれば、かつてフィンランドでは固いライ麦パンこそが良いパンとされていましたが、最近は柔らかいパンを好む若い世代が増えているそうです。もしかすると、イーストを使ったやわらかいユーストサルヴェットは、そうした食の変化を反映したものなのかもしれません。
そこで今回は、より伝統に近そうなベーキングパウダー版を作ってみることに決めて、レシピを探しているうちに、まさに家庭科の教科書っぽいものを使いながら作っているフィンランドのブログを見つけました。
最初に見たダウンロードしたレシピ本ではバターを使うところ、そのレシピではサラダ油になっていました。あらかじめバターを冷やしたり刻んだりする必要もありません。バターが高価になった今の日本では経済的ですし、暑く湿気の多い夏でも気軽に作れるのは大きな魅力。むしろ日本の気候にはぴったりのフィンランドのレシピかもしれません。
そこで、それを参考にしながら、日本で手に入りやすい材料と分量に置き換えたのがこちらです。

なにせ小学生でも作れる簡単レシピ。しかもイーストを使わないので、焼き上がりまで45分ほど。オーブンから漂うチーズの香りが食欲をそそります。焼き上がりはサクサクとして香ばしく、夫はあっという間に3個食べてしまいました。
それでは、レシピです。

フィンランドのチーズホーン
材料
生地
- 薄力粉 120g
- ベーキングパウダー 小さじ1
- 塩 小さじ½
- シュレッドチーズ 50g
- サラダ油 50ml
- ギリシャヨーグルト 100g
フィリング
- シュレッドチーズ 25g程度
トッピング
- 溶き卵 適量
- ケシの実または白ごま
作り方
- ボウルに薄力粉、ベーキングパウダー、塩、シュレッドチーズを入れて混ぜる。
- サラダ油とギリシャヨーグルトを加え、ゴムベラでひとまとまりになるまで混ぜる。
- 台に生地を取り出し、打ち粉をして麺棒で直径30cmほどの円形にのばす。
- ピザのように放射状に8等分する。あればピザカッターを使うと良い。

- 三角形の広い部分にシュレッドチーズを小さじ1程度のせ、広い方から巻く。軽く曲げて三日月形に成型する。

- クッキングシートを敷いた天板に並べ表面に溶き卵を薄く塗り、ケシの実または白ごまを散らす。

- 220℃(コンベックオーブンは200℃)に予熱したオーブンで10~15分焼く。
動画
ヒント

ちなみに、スウェーデンで同じようなチーズ入りの角(ホーン)型のパンを調べると、ほとんどがイースト生地でした。国ごとの好みの違いなのか、それとも歴史的な背景があるのか、とても興味深いところです。
というわけで、いつかイースト生地でも「チーズ角」を作ってみますね!
