フィンランドではプッラと呼ばれる甘い菓子パン生地を応用して様々な菓子パンを作ります。作りたい菓子パンごとに分量を変えたレシピにしていたのですが、逆に同じプッラ生地の分量にフィリングの方を調整した方が便利なことに気が付いて、基本の菓子パン生地を作りやすいレシピで考えました。それ以来、作りたい菓子パンは毎回この生地で作っています。
先日立て続けにフィンランドのピーラッカを焼いたときに、ピーラッカ用にも基本の配合を作っておけば便利だと気が付きました。ピーラッカとはフィンランドでは生地で具を包んだ様々な料理に使われる言葉ですが、いまはタルト型のピーラッカを想定しています。
ピーラッカの生地はユニークで、水分の多いベタベタした生地を手で直接型に押し広げます。私はアイルランドに住んでいたのでイギリス菓子を以前は良く作ったし、スウェーデンのタルトも作ることがあるのですが、このような生地の作り方はほとんど見たことが無いので(知らないだけかも知れませんが、少なくとも主流ではない)フィンランド独特なものだなあと面白く感じています。
前置きはここまでにして、ピーラッカ生地には甘い味のお菓子用と、英語でセイボリーと言う塩味のおかず用の2種類があります。その2種類の基本レシピを作りました。なおフィンランドのレシピでは直径が28cmくらいと日本には大きすぎるので、日本の家庭で作りやすい直径18cmと21cmに分量を調整しました。自分の備忘録として書きますね。
基本のピーラッカ生地(菓子用)
用意するもの
- 直径18cmのタルト型 括弧内は直径21cm用
材料
- バター(マーガリンでも可) 50g (70g) 室温で柔らかくしておく
- 砂糖 40g (55g)
- 溶き卵 20g (30g)
- 小麦粉 70g (95g) あれば中力粉
- ベーキングパウダー 小さじ½ (小さじ½)
作り方
- バターと砂糖を電動泡立てで白っぽくなるまでかき混ぜる。
- 溶き卵を加えて更に電動泡立てでかき混ぜる。
- 小麦粉とベーキングパウダーを加えて更に電動泡立てでかき混ぜる。ある程度混ざったらゴムベラでムラの無いように混ぜ合わせる。
- タルト型に指を使って生地を広げる。焼くと膨張するので縁は厚くなりすぎないように。夏はフィリングを作っている間に冷蔵庫に入れておく。
- 生地に具を入れ、予熱したオーブンで焼く。
ヒント
続いて塩味のおかず系ピーラッカの生地です。
基本のピーラッカ生地(おかず用)
用意するもの
- 直径18cmのタルト型 括弧内は直径21cm用
材料
- 小麦粉 90g (120g) あれば中力粉
- 塩 小さじ⅓(½)
- バター(マーガリンでも可) 70g (95g) 室温で柔らかくしておく
- 冷水 20cc(30cc)
作り方
- 小麦粉と塩とバターをボウルに入れ、指先でつまむようにして混ぜる。冷水を加えヘラで混ぜてひとかたまりにまとめる。
- パイ型に生地を入れ指で全体に敷き詰める。ベタベタした生地なので扱いにくい場合は指先に水を付けるとやりやすい。夏場は、型に生地を広げてから冷蔵庫で冷やしておく。
- 具を生地の上に入れ予熱したオーブンで焼く。
ヒント
この二つの生地の違いは、お菓子用がケーキ生地に近い甘く柔らかい生地で、おかず用はサクッとした塩味の生地なところ。ピーラッカの生地には様々あり、皆さんがレシピを探すと色々なバージョンが見つかるでしょう。私も過去に色々な配合で作りましたが、今はこのレシピに落ち着いています。
おかず用のピーラッカ生地は先日作った玉ねぎのピーラッカに使った生地ですが、以前作ったほうれん草とフェタチーズや、きのこのパイも同じ生地で作れそう。機会があれば、過去のおかずピーラッカをこの生地で作り直して実験してみますね。
過去にアップしたタルト型のピーラッカはこちらのリンク先からご覧ください。生地のレシピは違っているものもありますが、基本のピーラッカ生地に置き換えて作れます。
こうやって見ると、スウェーデンのアナナスパイはベタベタ生地でした。スウェーデンなのに。