実は最近いつか作ってみたいと思っていたスウェーデンのスモーガストルタ(smörgåstårta)を作りまして、多分ほとんどの方が「こっちのレシピを早く」と思っているのは伝わってくるのですが、先にスモーガストルタに使ったパンについて話してもいいですか?
スモーガストルタにはフォルムフランスカ(formfranska)というパンが良く使われます。直訳すると「フランス型」かなあ。砂糖とバターが少し入ったフランスパン生地を型にいれて焼いたパン(本来フランスパンには砂糖とバターが入らない)。
サンドイッチケーキを作るのにパンから作らないといけないのかとなると、かなりハードルが上がるのですが、フォルムフランスカをフランス語で言うと「パンドミ」ですと答えると、アッと思いませんか?
そう、多くのパン屋でパンドミの名前を目にしているはずですし、私の母がいつも買っているサンジェルマンのエクセルブランもパンドミの一種です。アメリカではサンドイッチ用のパンとして有名で、そもそもフランスでは滞在しているアメリカ人のために作られたと何かで見たような?
ちなみにスウェーデンでパンドミをフォルムフランスカと呼ぶのは、パンドミがフランスから伝わったからというより、そもそも白いパンは何でもフランスパンと呼んでいたらしい。1768年に最初のフランスパンがストックホルムで焼かれるまでスウェーデンでは白いパンは全てフランスからの輸入。国内で焼かれるようになってからも小麦はフランスからの輸入だったそう。北欧は気候の関係で小麦が生育しにくいんですよね(なのでライ麦パンを食べる)。
スモーガストルタ用にパン屋でパンドミを買ってスライスしてもらっても良かったのですが、丁度角食パンの型を買って一度も使っていなかったので、焼いてみることにしました。それに角食パンの方がスモーガストルタは作りやすいですしね。
先にお断りしておくと、その時に私が持っていた角食パンの型は小麦粉200g用で少し小さめでした。写真のスモーガストルタはその型で2本焼いて作っています。
ただホームベーカリーでも作れるレシピにしたかったので、250gで作れる1斤用の型を買い直し、このブログ記事のパンはそれで作っています。
レシピを決めるにあたって、まずはスウェーデンの「Formfranska」のレシピを見て、日本の「パン ド ミ」のレシピを見て、本国フランスの「Pain de mie」のレシピを見て、一周まわってスウェーデンのレシピに少しフランスのレシピを混ぜる形に落ち着きました。バターと砂糖が少な目の、本当にシンプルで、まさにサンドイッチ向きのパンです。なお、よりフランスパン生地に近づけるには中力粉あるいは薄力粉と強力粉を混ぜればいいのですが、面倒なので強力粉だけで作っています。
こちらは同じ生地をホームベーカリーで焼いたものです。形以外は特に違いはありません。今回型で焼いたのは、型を使いたかったのもあるのですが、ホームベーカリーで焼くと中心に大きな穴が空くので、スモーガストルタを作るには穴が邪魔になるかもなあと思ったからです。実際つくってみると、穴を別の部分から持って来た切れ端で塞げばできそうだと分かりました。
ではレシピです。
サンドイッチ用パン(パン ド ミ)
用意するもの
- 1斤用の角食パン型、あるいはホームベーカリー
材料
- 強力粉 250g
- 砂糖 10g
- 塩 5g
- インスタントドライイースト 3g
- 牛乳 60g
- 水 100g
- バター 10g 室温に戻す
作り方
ホームベーカリーの場合
- お持ちのホームベーカリーの指示にしたがって作る。
型で作る場合(型にはショートニングを塗っておく)
- バター以外の材料を混ぜ10分くらい捏ねる。次にバターを加え10分くらい捏ねる。
- 生地をまとめ、ボウルに入れてラップをし、30℃くらいの場所で60分、あるいは2倍くらいまで発酵させる。
- 生地が発酵したらボウルから出し、軽く捏ねてから3等分して丸め直して台の上に置き、ラップをして15分休ませる。
- それぞれを麺棒で楕円形にのばし、左右から三つ折りし、下からクルクルと丸めて型に入れる。ラップをして50分、あるいは型の8割くらいの高さになるまで発酵させる。
- 発酵したら型に蓋をし、220℃に予熱したオーブンを200℃に落として25分焼く。前後をひっくり返し、5分焼く。
- 焼き上がったら20cmくらいの高さから型を落とす(焼き縮みを防ぐ)。型から出して網に乗せて冷ます。
サンドイッチにしてみました。週末にいただいたきゅうりを使ってシンプルに。
トーストしてスウェーデンで買ったカッレスキャビアと茹で卵で。
そして、もちろんスモーガストルタにも
それでは、次回スモーガストルタ編で。少し編集に時間がかかりそうですので気長にお待ちください。