北欧料理の定番中の定番「グラブラックス」。北欧各国で広く食べられているサーモン料理です。グラブは北欧語で「地面に穴を掘る」で、ラックスは「鮭」の意味。その名の通り中世では鮭を塩漬けにして砂浜に埋めて軽く発酵させて作っていました。現在では塩と砂糖に数日漬け込んで作るようになっています。
グラブラックスは繰り返し作っているし、著書『北欧のおやつとごはん』にもレシピを掲載しているのでとっくにサイトでレシピをアップしているものと思っていましたが、していませんでした。驚き。
この2週間でグラブラックスを2回作りました。作るきっかけの一つは、ふるさと納税の返礼品でサーモンをもらったこと。二つ目のきっかけは続けての来客があったこと。三つ目は5月のスウェーデン旅行でフードコーディネーターのサンナさんに料理を教わったこと。
ふるさと納税の返礼品は夫が決めていて内容は知らず、ただ北海道からサーモン1キロが来るよと言われていたので、てっきり北海道産のサーモンの1キロ塊が来るものと思っていたのですが…届いたのはノルウェー産サーモン250gの切り身4個でした。
どうやって冷凍庫に入れようかとスペースまで作っていたのに拍子抜け。いや、普通に考えると切り身は1人前120~130gなので理にかなった分量なのですが、久々に大きなサーモンでグラブラックス作ろうかと画策していたので。
そのグラブラックスはサーモン1キロに塩大さじ4、砂糖大さじ4が基本。サンナさんのレシピもその通りでしたが、見せてくれたのはディルだけでなく、樅か杜松(ネズ)の新芽を加えた作り方。これには興味津々。樅も杜松も身近にありませんが、庭にヒマラヤ杉があります。良く分かんないけど、樅と同じ松の仲間だからいいか。ヒマラヤ杉使おう。
【注:風味付けにはモミ、ツガ、トウヒ、ネズなどが向いています。イチイだけは毒性があるので使ってはいけません。】
250gに対しての調味料の分量ですが、単純に考える塩と砂糖は各大さじ1となります。ところが、以前250gをその配合で作ったところ塩辛くて、しばらく水に漬けてからでないと食べられませんでした。理由は分かりませんが、北欧のレシピは皮付きなのに皮が付いてないからなのか、身が薄く中まで味が染み込みすぎたのか、サーモンの種類の問題なのか。とにかく、その経験を元に塩を控え目にしたところ、1回目も2回目も大変良い塩梅になりました。
皆さんにも手軽に作って頂ける250gのレシピです。
グラブラックス
材料
- 生サーモン 250g
- 砂糖 大さじ1
- 塩 小さじ2
- (あれば)粒白こしょう 小さじ½
- ディル 3枝くらい
- (あれば)樅、杜松など針葉樹の新芽 適量 よく洗っておく
マスタードソース(作りやすい量)
- 酢 大さじ½
- 砂糖 大さじ1
- マスタード 大さじ3
- サラダ油 大さじ5
- ディル みじん切り 適量
作り方
- 塩と砂糖を混ぜておく。粒の白こしょうは粗く潰すか包丁で切る。ディルは粗いみじん切りにする。
- サーモンの表面を拭き、広げたラップの上に置く。①の塩と砂糖を混ぜたものを表面に擦り込む。白こしょうをその上に広げ、ディルを全体に振りかけ、針葉樹の新芽を適当に乗せる。
- ②をラップでぴっちりと包む。密封容器、またはフリーザーパックなどの密封袋に入れ冷蔵庫で24~48時間寝かせる。途中何度か上下を返す。
- マスタードソースの材料を合わせ、もったりするまでよくかき混ぜる。最後にディルの葉のみじん切りを加えて混ぜる。
- サーモンを取り出し、表面のディルなどを拭き取る。よく切れる包丁の刃を斜めに入れて薄くそぎ切りする。皿に盛り付けソースを添える。あればディルの枝を飾る。
動画
ヒント
そのままでおつまみや前菜になりますし、パンに乗せて(できればライ麦パンに)オープンサンドにするのもお勧め。もしかしたらソースは半分くらい余ってしまうかも知れません。その場合はハムに使ったり、ドレッシングに混ぜても美味しいです。
ちなみに白こしょうはサンナさんのレシピから。私は普段は塩と砂糖のみです。こしょうを用意するのが面倒ならなくてもいいですよ。
ほったらかし料理ですが、おもてなしに出すと盛り上がること間違いなし(と思う)。火を使わないので真夏にもお勧めです。
ちなみに夏になるとディルが手に入りにくくなるので、目に付いたら買っておいてはさみでチョキチョキ刻んで冷凍がお勧め。1回目のグラブラックスはそうやって冷凍しておいたディルで作りました。近所のスーパーがディルを取り扱っていない場合は頼んで取り寄せてもらいましょう。
解凍するとシナッとなりますが、グラブラックスの下ごしらえやスープやソースに使うには問題ありません。ではでは。