スウェーデン大使公邸でビーガンスープ作り

前回書いた通り1月25日のスウェーデン大使公邸でのレセプションではオートリーのオーツミルクを使ったきのこスープを提供させていただきました。

オートリーのオーツミルクはスウェーデン人の友人に勧められて、このイベント以前からスウェーデンに滞在したときにはコーヒー味を時々買って飲んでいました。特にオーツミルクだからという訳でなく、味が好きだったので。ただオートリーを勧めてくれた友人がベジタリアンだったためもあり、オーツミルクとはベジタリアンや乳糖アレルギーの人が牛乳代わりに飲むものだと思っていました。

今回、大使館のヨハンソンさんにオーツミルクについて話を聞いたり、オートリーをはじめ、植物性ミルクのサイトを読むと、ベジタリアン限定という考えは違っていて、普段の食事の一回でも、一部でも植物性に変えることで環境のために貢献する(いわゆるSDGsというやつ)のだと。それは嗜好の問題だけでなく、思想の問題なのだと気が付かされました。

正にオートリーのパッケージの後ろに書いてあること。翻訳は苦手なので、あまり上手くないけれど、訳してみます。

おめでとうございます!
オーツ麦飲料抽選に当選しました。
キャッチフレーズは絶対に信じちゃダメ。
引き付けて希望を持たせるけれど、いつだって楽観的過ぎるから
ともあれオーツ麦飲料は美味しいし、飲んだら体にも地球にもいい事してるってワケ。
それって当選したようなものだから楽観的すぎるってことはないよね?

訳の上手下手はともかく、このキャッチコピー通りオートリーは美味しいです。プレーンは初めて飲みましたが、サラッとしていて、私は牛乳より飲みやすい。試作のきのこスープを飲んでいただいた母の友人たちに飲んでもらったら同じ意見でした。

最初、オーツミルクを提案された時は、どんなレシピにするのか決めていなかったのですが、それなら一層のこと動物性を使わないビーガンレシピにしようと決め、きのこスープに決めました。

それからは食材集め。オーツミルクは提供いただきますが、その他のベジタブルコンソメ、豆乳生クリーム、ビーガンバター(要はマーガリンですね)を探しまくって見つけました(商品の詳細は最後に書きます)。このビーガンバターはデンマーク製。ヨハンさんは知らなかったのですが、ヘルプに来ていたEU大使館のシェフ、ステファンさんはよく使うよ、と言っていました。

ちなみに調理をしているときに、そのステファンさんが「チキンコンソメ?」と突然聞いてくるので、咄嗟に「あ、そう」と答えてから「え!違う!ベジタブルコンソメ!」と慌てると「今、チキンって言ったよね」とからかってきて「冗談!ベジタリアン料理を作っているとき、コンソメを植物にするのを忘れちゃうって良くあるから」だそうで、確認してくれていたようです。

材料のきのこと玉ねぎはJA兵庫さんから取り寄せた兵庫県産野菜。材料を買うときに、どうせなら地元野菜を使おうと思ったので(玉ねぎは兵庫の名産ですし)。事前にJAさんにメールで相談したところ、組み合わせの希望を聞いてくれて、良いきのこが揃いました。

早速、ヘルプに来てくれた従妹ときのこを刻んでいるとシェフのヨハンさんが「いい解決方法があるよ」と電動チョッパーを貸してくれました。きのこ2.5キロあったので、正直、これが無かったら大変だった。同じく刻んだ玉ねぎ、にんにくと一緒に大鍋で炒めます。奥にいるのはステファンさん。ヨハンさんを手伝ってメイン料理を作っているところ。大使館シェフは人手が必要な時はこうしてお互いに協力し合うのだとか。朝一番もスペイン大使館シェフが何かを借りに(もらいに?)来ていました。

(現場では本当に必死で写真が無いのが申し訳ないのですが)熱した大鍋にビーガンバターを投入したら、玉ねぎときのこの炒めに入ります。とにかくプロ用のコンロの火が強いので焦げ付いては大変と恐る恐る弱めの火で炒めていると、ヨハンさんが「ここが一番肝心なところ、もっと強火で」とアドバイス。思い切って強くすると香りが立ってきました。

次に炒めたきのこたちに小麦粉を振りかける段階になったら、既に振るってある小麦粉をヨハンさんが用意してくれて感激。小麦粉を振るい入れながら「これくらい?」と尋ねるとOKが出たので(心配でヨハンさんに確認しまくり)水とコンソメを加えコトコト煮てからブレンダーへ(量が多いので元々のレシピの工程を変えています)。

ピュレ状になったきのこを鍋に戻し、オーツミルクを2.5リットル投入。ワインとビネガーは大使館のものを使わせていただきました。ワインは何だったのか分からないけれど(奥からヨハンさんがカップに入れて持って来てくれたので)ビネガーは「きのこスープにはこれがいい」とシェリービネガーを出してくれました。ヨハンさん曰く、きのこスープにはレモン汁もお勧めだそう。料理にこういった酸味を加えるのが北欧流です。

と、そこでEUシェフのステファンさんが「手が空いたけれど、ガーニッシュ作ろうか?」と聞いてきてくれました。「取り分けてあるきのこを薄くスライスしてフライしてもらえますか?」とお願いすると手早く作ってくれます(あとで従妹に「遠慮しないねー!」と言われちゃったけど、そんな場合ではない)。

最後に豆乳クリームで仕上げ。再度味を調えてヨハンさんに味見してもらうと「ビネガーをあと大さじ2、それから塩をもっと足して」。ただ「自分たち北欧人は塩気の強い方が好みだけれど、食べるのは日本人だから……」と少し考えていたので「ヨハンさんに合わせます」と答えると、土俵入りくらい塩をまいたのでビックリ。ところが味見すると、美味しくなっていたので更にビックリ。量が多いと(全部で6リットルくらいかな)それくらい思い切って入れても大丈夫なんですねー。

そうして出来上がったきのこスープは本当に美味しかった。材料がいいのと、シェフのアドバイスが良かったからですね。

今回使った材料は下記です。

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cotta
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アリサン
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ベジタブルストックは、アイハーブでEdward & Sonsの製品を取り寄せたのですが、いまサイトを見たら在庫切れでした。興味があれば、登録すると入荷案内をもらえるみたいです。下記リンク先からどうぞ。リンク先から注文すると、招待されたとなって少し割引があるみたい。

Edward & Sons, Garden Veggie, Bouillon Cubes, 8 Cubes

ところで、スウェーデンとは関係ないのですが、今回使った不二製油の豆乳クリームについて調べようと企業サイトを見ると、環境問題に積極的に取り組んでいました。豆乳以外にも大豆を使った大豆ミートを作っています。またチョコレートも作っているのですが、カカオ豆の生産農家に資金援助をして、SDGsにも積極的に取り組んでいるとか。とても感心したので、起業応援のつもりで株を買いました。優待でもらえるチョコレートと大豆ミートが楽しみです。

最後に今回のスープのレシピです。レシピは大使館の方たちとシェアするために英語で書いていて、単位はデシリットルです。そして40人分です。ご了承下さい。

Creamy Vegan Mushroom Soup
(Krämig vegansk svampsoppa)

40 cups (approximately 1.5dl per person)

Ingredients

2kg mixed mushrooms (sliced)
1.5kg onions (diced)
10 garlic cloves (diced)
200g margarine
1.5dl wheat flour
150dl water
250dl oat milk (OATLY)
10 vegetable stock cubes
40dl white wine
100dl soy cream
7.5dl white wine vinegar
salt & white pepper
Italian parsley

Instructiond

1 Remove 1/2 cup of the mushrooms and set aside  as garnish. Heat oil over medium high heat. Add mushrooms and sauté, stirring occasionally, until tender and caramelized. 

2 Heat the margarine in a pan. Add the onion and garlic and cook until softened. Add the mushrooms and stir for about 5 minutes. Stir in the wheat flour and cook over a low heat for 30 seconds. Add the water  and the stock cubes and bring to the almost boil. Reduce the heat and simmer for 10 minutes. 

3 Using a blender, purée the soup until smooth. Return to the pot after blending. Add the oat milk, the white wine and the white wine vinegar and heat it until just before boiling. Stir in the soy cream and half of the oat milk heat gently. Season to taste and serve in individual cups and garnished with the reserved mushrooms, a sprinkling of spring onions.

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