二人のためのヤンソンの誘惑 Janssons frestelse

ヤンソンの誘惑のレシピを見直しました。ついでに量を減らして2人用に変更。スウェーデンのレシピは8人分とかなので。

さて、ヤンソンの誘惑を作るにあたって日本語でレシピ検索してみました。というのも、以前も書きましたが、日本ではスウェーデンのヤンソンの誘惑用のアンチョビ「Ansjovis」は日本で手に入るアンチョビとは種類も味も香りも異なる別物なので、みんなどうしてるのかなあと思ったから。

誰もがイタリアンアンチョビをそのまま使っている中で面白かったのはダンチューのレシピ。途中までは他のレシピと同じなのですが、最後にシナモンとナツメグと砂糖を振りかけています。なるほどねー。

ブログなどで作ったよ、というのでたまにじゃが芋に火が通っていなかったと感想が書かれてる時があり、写真を見るとじゃが芋が太すぎる。スウェーデンのレシピでも私のレシピでも「太さはマッチ棒くらい」と書いているのですが、よくよく考えると最近マッチって目にしません。スウェーデンは家に暖炉があるのが珍しくないので、日常的にマッチを手にするのですが、日本でマッチを使う機会は無いですよねー。

じゃが芋の太さ、大体3~4mm角です。5mmと書かれているレシピを見かけましたが、ちょっと太いなあと感じてしまう。まあ、ここら辺は好みかも知れませんが、私は焼き上がりがカリカリになるから細い方が好きです。

ちなみに、こんなもんかなと切ったスライスを試しにノギスで計ったら4mmでした。

ついでにじゃが芋の種類について。火を通しても煮崩れない種類を選びます。煮崩れない種類というと、パッと思い浮かぶのはメイクイーンと思いますが、実は『煮崩れず、かつホクホクした種類』が最も理想的。メイクイーンだとホクホク感が足りません。これがヨーロッパだとKing Edwardという選択肢があるのですが(余談ながらアイルランドに住んでいるときはKing Edwardばかり買っていました)、日本では手に入りませんね。

一度間違って煮崩れるものを使ってしまって、出来上がりがマッシュポテトだった…という苦い思い出があるので、迷ったらメイクイーンを選んでいたのですが、本当はもっといい選択肢があるんだろうなあと、もどかしく思っていました。

そんな折、いいサイトを見つけました。その名も『じゃがいも図鑑』。このサイトにそれぞれの種類に煮崩れや食感について詳しく書かれていました。下の画像は一部抜粋です。この中だと、煮崩れしにくくホクホクしているのは、例えば十勝コガネやとうやですね。

このサイトをダウンロードして、いざスーパーへ。スーパーには定番の男爵とメイクイーンに並んでニシユタカがありました。じゃが芋図鑑によると『煮くずれが少なく、ほくほく』。やったね。

まあ、そんな前置きはともかく、最適なじゃが芋を手に入れたので、早速作ってみましょう。前回と同じくイタリアンアンチョビを漬け汁に漬ける所からなのですが、その漬け汁のレシピを見直しました。家人が「もっと香りは甘かった」と感想があったので、甘味を感じるスパイス、シナモンを加え、更に砂糖をやや増やしました。実はスウェーデンのアンチョビにはサンダルウッドの香りが特徴なのですが、サンダルウッドは手に入らないので、他のスパイスで出来るだけ風味を近づけています。

それではレシピです。

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ヤンソンの誘惑(2人用)

Janssons frestelse
分量 2 人用

用意するもの

  • 1リットルくらい入る耐熱容器 (今回はW21cm D15cm H7cm)

材料

アンチョビの漬け汁

  • 酢 大さじ1
  • 水 大さじ2
  • 砂糖 大さじ½
  • こしょう ふた振りくらい
  • オールスパイス ふた振りくらい
  • シナモン ふた振りくらい
  • クローブ ひと振りくらい
  • ジンジャー ひと振りくらい

ヤンソンの誘惑

  • アンチョビ 1缶 (固形量30gくらい)
  • じゃが芋 300g (煮崩れない種類)
  • 玉ねぎ 150g
  • 生クリーム 100cc
  • 牛乳 50cc
  • こしょう 適量
  • 細かいパン粉 大さじ1 ザルに通して細かくする

作り方

アンチョビを漬ける

  • アンチョビをキッチンペーパーで挟んで油を切り器に入れる。漬け汁の材料を小鍋でひと煮立ちさせ、アンチョビにかける。冷蔵庫に入れ1日~2日漬ける。

ヤンソンの誘惑を作る

  • 玉ねぎを薄切りにし、バター大さじ1/2くらいでしんなりするまで炒める。焼き目を付けないように気を付ける。
  • じゃが芋は皮を剥き、3~4mm角の細切りにする。漬けておいたアンチョビを出し1cm長さに切る。
  • 耐熱容器の内側にバター(分量外)を塗る。じゃが芋の⅓、玉ねぎの½、アンチョビの½を重ね、再びじゃが芋の⅓、玉ねぎの½、アンチョビの½を重ね、一番上を残りのじゃが芋で覆う。こしょう少々を振る。
  • 漬け汁大さじ1½を全体にふりかけ、生クリームと牛乳を上から注ぐ。細かくしたパン粉を全体に振り、ところどころに小さく切ったバター(分量外)を散らす。
  • 200℃~220℃に予熱したオーブンで45分焼く。途中水分が減りすぎるようなら牛乳を足す。焦げそうになったら上にアルミホイルで覆うか、バットを重ねる。スウェーデンではやや焦げ気味にするので、多少焦げがあっても良い。

ヒント

可能なら煮崩れなく、焼くとホクホクする種類のじゃが芋を選ぶ。
スパイスの量は神経質にならなくても大体で良い。スパイスは全部揃わなくても、あるもので良い。

手順をGIFアニメにしてみました(やってみたかっただけ)。

焼き上がり。

じゃが芋と玉ねぎはあらかじめ炒める派と炒めない派がいます。今までは最初にスウェーデンの人に教わった通り、どちらも炒めることなく作っていましたが、玉ねぎは炒めた方が美味しいと思ったので、今回は炒めています。炒めない場合は切って重ねるだけなので更に簡単。

ヤンソンの誘惑を教えてくれたマリアンヌさんは「ヤンソンの誘惑には絶対にクネッケブロードがないと」とこだわりがあったのですが、今回はクネッケブロードは用意していなかったのでパンと食べました。

クネッケブロードはスウェーデンの硬焼きパン。大きなドーナツ型で、放射状にカットされているものが以前は取り扱っている会社があったのですが、見つからなかったです。コロナの影響で運送が滞っているのかしら。スウェーデンではなく、ノルウェーのものなら見つかりました。

一応レシピは下記リンク先。

表面カリカリ、内側ホクホク。

どうぞお試しください。

いつか機会があれば本物のスウェーデンのアンチョビで作ってみてくださいね。

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