嬉しいとき～！レバーパテがあるとき～！
悲しいとき～！レバーパテに胡瓜がないとき～！

ついつい懐かしのギャグが出てしまうほど、デンマーク人がどんなにレバーパテが好きか強烈に印象に残る出来事がありました。

5年か、それ以上前だったと思うのですが、持ち寄りパーティーでデンマークのレバーパテを持参したとき、メンバーのひとりだったデンマーク人が狂喜し「レバーパテには胡瓜が必要」と買いに行こうとするわ「作り方を教えてくれ」と頼まれるわと、その食いつきぶりはあっけにとられるほど。特に胡瓜、胡瓜と力説する姿には「そんなにか？！」と驚いたものです。

デンマークは農業大国で、特に豚肉自給率は500%超えるほど。それほど豚肉を食べるデンマーク人ですが、レバーパテは意外なことにフランス人が1847年にデンマークに伝えた料理です。当時は手で材料を細かく切らなければならず、複雑で凝った料理のため、一部の人が口にすることができる高級珍味でした。1860年ごろに肉を簡単に挽くことができるミンサーが発明され、肉屋でも作れるようになり、フランス式の繊細さは薄れてゆき、デンマークのレバーパテ「レバポスタイ」となり家庭に広がっていったそうです。

「フランス式の繊細さは薄れ」って資料にあった通りなのですが、笑った。

レバーパテは豚のレバーと背脂で作ります。レバーはともかく、背脂は日本でスーパーに気軽に買えるものではありません。いつも私はスーパーや肉屋にあらかじめ背脂を予約して取りに行っていたのですが、大した量でもないので、面倒くささがいつも付きまとう。そこでスーパーで常に手に入れることができるバラ肉を代用できないかと考えました。

なおバラ肉はほとんどが脂身のものを選んでください。

バラ肉効果かいつものよりマイルドで食べやすい味に出来上がりました。試食係の夫によると、万人受けしそうな癖のない味で、コペンハーゲンのSAS（スカンジナヴィアエアライン）ラウンジで食べたレバーパテに近いと好評価。

材料はどこでも手に入るものばかりですが、手順が多く、少し大変に見えるかも知れません。でも作業そのものは難しいものはなく、順番通りに作ればちゃんと美味しく出来上がります。

ただし、フードプロセッサー、あるいはハンドブレンダーは必須です。お持ちでない場合は19世紀のように手でひたすら刻むしかない…。

それではレシピです。

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デンマークのレバーパテ「レバポスタイ」

用意するもの

750㏄くらいの容量の耐熱型 1個
フードプロセッサー（ハンドブレンダー）

材料

豚レバー 250g
バラ肉 180g ほとんど脂のバラ肉を選ぶ
玉ねぎ ½個
アンチョビ 3枚
オールスパイスまたはクローブ小さじ½
コショウ小さじ½
塩小さじ1
卵 1個
バター大さじ1½
薄力粉大さじ1½
牛乳 200cc

作り方

ホワイトソースを作る。
フライパンを弱火にかけ、バターを溶かす。薄力粉を振るい入れ、木べらで炒める。少しフツフツとして来たら冷たい牛乳を一気に入れ、火に掛けながら木べらで底をこするようにかき混ぜる。
木べらで持ち上げて垂らすと筋が残る程度のとろみが出たら火を止める。冷ましておく。
アンチョビは包丁で刻んでペースト状にする。玉ねぎはすりおろすか、フードプロセッサーで細かく切る。
フードプロセッサーでレバーとバラ肉をなめらかなピューレ状にする。あればハンドブレンダーを使うとよりなめらかになるのでお勧めです。
ボウルにレバーとバラ肉のピューレを入れ、アンチョビ、玉ねぎ、オールスパイス、コショウ、塩、卵黄、冷めたホワイトソースを加えて混ぜる。
卵白を硬く泡立てて加え、ゴムベラで混ぜ込む。全体が混ざったら型に流し入れる。
お湯を張った天板に乗せ、180℃に予熱したオーブンで1時間焼く。途中でお湯が減ったら適時追加する。
焼きあがったらオーブンの中に残してゆっくりと冷ます。