いま東東京の北欧が熱い!前編

東京で北欧を巡る3日間(4月7日)

4月7日から9日まで東京に滞在し、主に“東東京”の北欧スポットを巡ってきました。

東東京と書いて「ひがしとうきょう」と読みます。東京23区はざっくり分けると、官公庁と商業施設が集まる真ん中の都心・副都心、住宅街が広がる西東京、そして昔ながらの風情が残る下町の東東京。

今は神戸に住んでいる私ですが、実は長く西東京に住んでいたので、東東京にはちょっとしたアウェイ感がありつつ、どこか憧れもありました。

その東東京で、いま北欧がじわじわと盛り上がっているのです。この3日間は、そんな“東東京の北欧”を探しながら、カフェに立ち寄ったり、街を歩いたり、また別の場所へ移動したり。「北欧をたどっていく旅」をしてきました。

さて、まずは朝9時に伊丹空港を出発し、10時には羽田空港に到着。そこからそのまま東京駅へまっしぐら。

え?東京駅は東東京じゃない?
……そこはひとまず置いておきましょう。

というのも、ここにはどうしても外せないカフェができたのです。

そのお目当てのカフェというのが、フィンランドからやってきたカフェ アアルト。

かつて京都に日本第1号店がオープンしたものの、残念ながら閉店。それから数年後の昨年、東京駅直結の新丸ビルに再オープンしました。

ちなみに私は旅の荷物がとても少ないタイプで、今回も手荷物は小さなボストンバッグひとつ。なので到着してすぐに東京駅へ向かい、入店したのは11時25分頃。

ちょっと薄暗かった京都店とは対照的に、東京の店舗は大きな窓からさんさんと光が差し込む明るい空間。

京都のあの落ち着いた暗さもフィンランドらしくて好きだったのですが、白を基調としたインテリアに自然光が入ると、一気に“北欧らしさ”が感じられます。象徴的な存在であるゴールドのペンダントライト、ゴールデンベルもよく映えていて、思わず見上げてしまう。

そして大きな窓の外には、修復されて往時の姿を取り戻した東京駅のレンガ駅舎。そのクラシックな佇まいは、どこかヘルシンキ中央駅を思わせます(心の目で見れば!)。

注文したのは、「ハウスパイ」として提供されているほうれん草のパイ(ピナーッティピーラッカ)。さらにサーモンスープも注文しようとしたところ、スタッフの方が「量が多いので小サイズもありますよ」と。そういえば小サイズは京都にはなかったと思う。おそらく現地にもない気がします。こういう“日本に合わせた調整”は、素直にありがたいです。

ハウスパイは、ほうれん草の鮮やかな緑のフィリングの中にフェタチーズ(多分)がごろごろ。京都にもあったメニューですが、『2種のチーズをふんだんに使って丁寧に焼き上げました』書いていながら、どこにチーズが入っているのかわからない京都時代と比べると、ぐっと“現地寄り”になった印象です。

味も、なんとなく前よりおいしくなったような気がする。知らんけど。ちなみに下の写真は京都時代のハウスパイ。

京都のカフェアアルトのハウスパイ

サーモンスープはクリーミーでやさしく、具材もしっかり。安心感のある味で、きちんとおいしい。今回はミニサイズでしたが、レギュラーサイズにはフランスパンが付いてくるそうです。

どちらも満足度は高いのですが、ひとつだけ気になる点も。

サーモンスープには、できればフランスパンではなくライ麦パンを合わせて欲しかった。現地で食べたことがないので、もしフィンランドでもフランスパンだったら申し訳ないのですが、日本の「北欧カフェ」で毎回思うのが「なぜフランスパン?ライ麦パンはそんなに難しいのかな?」ということ。

ライ麦パンが難しいなら、せめて目が詰まった全粒粉パンでもいいのでは……と、つい考えてしまいます。

もうひとつの疑問はハウスパイの土台。京都でも東京でもパイ生地ですが、現地では写真で見る限りタルト生地のように見えるんですよね。パイ生地が嫌というわけではないのですが、なぜあえて変えているのか。オペレーションの問題なのか、日本人の好みに寄せているのか……単なる好奇心から理由が知りたい。

店内はお客さんが多く活気があり、閑散として寂しげだった京都店とは、ずいぶん違う明るい空気。これからも日本に寄せすぎてパフェ提供するみたいな、個性をぼかしてしまうようなことはせず、この空気感とメニューを大切にして続いていってほしいなあ。

さて、少し早めのランチを済ませ、せっかくなので新丸ビルのテナントをのぞいたりしながらしばしぶらぶら。東京駅周辺を軽く楽しんだあと、次に向かったのは、昨年秋(2025年9月)にオープンしたばかりのフィンランドカフェKoti(コティ)です。

Googleで調べると電車では少し行きづらい場所。でも都バスを使うと意外とスムーズ。ちょうどタイミングよくバスに乗り、「浅草七丁目」で下車。そこから徒歩2分ほどで到着します。このあたりは「本当にこんなところにあるの?」と小さな雑居ビルが並ぶ下町の風景。そこに突然現れるフィンランド国旗。

中に入ると、「ああ、これは」と納得。映画『かもめ食堂』の世界そのままのようなインテリア。あとで店主さんに伺うと、水色の腰壁は舞台となった現地のカフェで幅まで測って再現したのだとか。

ここでもサーモンスープはあるのですが、すでにアアルトで食べていたので、シナモンロールを注文。実はここで食べると決めていたので、アアルトではぐっと我慢していたのでした。

カルダモンが効いたシナモンロールは、甘さもちょうどよくとてもおいしい。

思い切って自己紹介してみると、すでにInstagramをフォローしてくださっていたとのことで、ひとまず“変な人”と思われずに済んで良かったよ。

お茶の時間にはまだ少し早く、店内には他に誰もいなかったので、店主さんとフィンランドや料理の話で盛り上がり、気がつけば、あっという間に2時間ほど経っていました。

……と、そこへ現れたのが、にぎやかな年配女性3人組。「これぞ下町のおばちゃん」という口調でけなし合う姿はかえって仲の良さが伝わってきます。少し遠慮して紅茶をおかわりし、そのまま30分ほど、彼女たちのおしゃべりをBGMに過ごしました。

浅草といえば、ノルウェーのカフェ フグレン も新しくできていて、ワッフルも気になっていたのですが、さすがにもう食べられませんし、この日は風も強く、薄着には少しつらかったので断念。朝4時半起きで眠たかったのもあり、早めにホテルに戻ることにしました。

調べると、都バスを使えば今回泊まっている西日暮里までも一本で行けると分かり、そうやってホテルに戻りますねと店主さんに話しかけると、3人組が「西日暮里に泊まってるの?」「ここら辺も高くなったけど西日暮里はまだ安いのかね」「アパホテルなんて7千円くらいだったのにさ」と話しかけてきて、それからああでもないこうでもないと、にぎやかにアクセスを教えてくれるのもまた楽しい時間でした。

そういえば、帰りのバスの中でも、後ろの席では地元に住んでいるという方が、外国から働きに来ているカップルに話しかけ、あれこれと親切に教えているのが耳に入りました。東京にいても、このあたりはやっぱり“下町”の気風が残っているのだなと感じる、心温まる出来事でした。

あとでコティの店主さんから聞いたところ、あの3人組は常連さんで、「椅子がかたい」と文句を言いながらも毎週来てくれるのだそう。

その話を聞いて思い出したのが、映画『かもめ食堂』のラストシーンです。地元の”おばさん”たちが徐々に常連になっていく……。ああ、あの物語がここで実現されているのだなと、じんわりした気持ちになりました。

長くなったので、後半はまた後日。

これを読んでカフェアアルトのピナーッティピーラッカを作ってみたいと思った方は下記リンク先からどうぞ。

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