カフェアアルトのハウスパイを作ってみる/Feta-Pinaattipiirakka

今年の初め、編み物作家のしずく堂さんと京都旅行をしました。旅行については下のリンクをどうぞ!

その時に京都のカフェアアルトで食べたのが、このハウスパイ。ほとんどほうれん草の塊と言えるほど、ぎっちりほうれん草の入ったパイです。

メニューの解説によると『ほうれん草と2種のチーズをふんだんに使って丁寧に焼き上げました。カフェアアルトでしか味わえないオリジナルの食事パイです』だそう。ということは、フィンランドのカフェでも出ているのかと調べてみました。(行ったことありますがコーヒーしか飲んでいないので記憶にない…)

意外と検索に時間がかかりましたが、なんとか公式インスタグラムにあるのを発見。料理名は『Feta-Pinaattipiirakka/フェタピナーッティピーラッカ』。なるほど、使われているチーズはフェタなのか。

Feta-Pinaattipiirakkaで調べるといくつものレシピが出てくるので、どうやらフィンランドでは珍しくない料理のようで、中には「伝統的な」と書いている人もいました。いや、フェタチーズ使っている時点でフィンランド発祥ではないよね?ギリシャのスパナコピタがフィンランドに上陸してローカライズされたのではないかな?

作り方は、生地を型に詰めて、具材を卵と牛乳を混ぜた液体でとじてオーブンで焼き上げる方法。これってイタリア料理がフィンランドでローカライズされて生まれたマカロニピーラッカ(下記リンク参考)と同じパターン。フィンランドに上陸すると何でも卵牛乳でとじられてしまうのか?日本に上陸すると何でも醤油味になるように、アメリカに上陸すると何でも巨大化してチーズ足してカロリー爆弾になるように。

さて、さて、そんな疑問はさておき、カフェアアルトの写真をじっくり検証すると、京都ではパイ生地だったベースはショートペイストリー生地に見えます。日本では手に入りやすい市販のパイ生地に変更したのかな?あと、フェタチーズが結構ゴロゴロに入っている。

では、フィンランドの方に寄せて作ってみようと思ったのですが、京都のメニューにあった「2種類のチーズ」に躓きました。フェタと、もう一種類が分からない。現地の他のレシピのほとんどがフェタのみですが、数は少ないながらピザ用チーズを使う人、カッテージチーズを使う人、パルメザンチーズを使う人がいました。

けれども、味を思い出すとどれもピンと来ない…。いくつか、サワークリーム(あるいはクレームフレーシュ)を使うレシピがあったので、もうこれをチーズと大胆解釈しよう、そうしよう。

試行錯誤して作ったパイを家人に食べてもらったら好評価をもらいました。自分でも、もしかして京都のカフェよりも好みの味かもって思っちゃったわよ。それって再現レシピとしてどうなんだ。美味しいからいいのか。

それでは作り方をどうぞー。なお、分量はフィンランドよりも減らして日本で作りやすくしています。メインとして食べるなら2人分、前菜なら4人分かな。

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フィンランドのフェタチーズとほうれん草パイ

分量 2 ~4人分

用意するもの

  • 直径15cmの底が取れるケーキ型

材料

生地

  • バター 50g 使う直前までしっかりと冷やしておく
  • 薄力粉 100g
  • 塩 一つまみ
  • 冷水 大さじ1~2

フィリング

  • フェタチーズ 100g
  • 冷凍ほうれん草 200g
  • 玉ねぎ 小½個(大なら⅓個くらいかな)
  • ニンニク 1片
  • サワークリーム 大さじ4
  • 牛乳 100cc
  • 卵 2個
  • コショウ 少々

作り方

生地を作る

  • 型にバター、あるいはマーガリンを塗っておく。(分量外)
  • ボウルに1cm角くらいに切ったバター、小麦粉、塩を入れ、指先でつまむように混ぜて、さらさらとしたパン粉のようにする。
  • 冷水を様子を見ながら少しずつ加え、生地がべとつかないけれどまとまる程度になったら台の上に取り出し、麺棒で直径23cmくらいに丸くのばす。
  • 型に生地を入れ、側面の高さが3.5~4cmになるように生地を押し広げる(コツはヒントを見てください)。型ごと生地を冷蔵庫に入れて冷やしておく。

フィリングを作る

  • 玉ねぎとニンニクをみじん切りにし、油を熱したフライパンで柔らかくなるまで炒め、冷ましておく。
  • ほうれん草を電子レンジで解凍し、しっかりと水を絞り出し、ごくごく細かく刻む。
  • フェタチーズは1cm角に切る。
  • ボウルにサワークリーム、牛乳、卵、炒めた玉ねぎとニンニク、ほうれん草を加えて混ぜ合わせる。

仕上げる

  • 冷蔵庫から生地を取り出し、底にフォークなどでところどころ穴をあける(ピケ)。200℃に予熱したオーブンで10分空焼きする。
  • 生地が冷めたらフェタチーズを入れ、フィリングを流し入れる。
  • 180℃に予熱したオーブンで40分焼く。取り出して中心が固まっていなければ固まるまで追加で焼く。
  • 粗熱が取れたら型から出し、切り分けてサラダと一緒にどうぞ。

動画

ヒント

のばしたらタルト生地の中心に型の底板を差し入れ、その上に縁の生地を折りたたんで乗せ、底板を生地ごと型に戻せば簡単に生地を中心に入れられます。
空焼きの時に側面が少しダレて容量が少なくなってしまうのを防ぐため、あればタルトストーンなどで重石をするといいです。無ければアルミホイルを4重くらいにして折り畳み、輪にして内側に入れます(今回はその方法で作りました)。
もし側面がダレてフィリングが入りきらなかったら、全部を入れなくてもいいです。
フェタの代わりにカマンベールやブリーを使ってもいいです。フェタは塩気が強いのでフィリングに塩が入っていませんが、他のチーズの場合はフィリングにも塩を入れて味を調えてください(焼く前のフィリングを味見してチーズの塩気を考慮した塩梅にする)。

フィンランドの冷凍ほうれん草は主にスープやパンケーキに使うためか、最初からものすごく細かく切ってあるのですが、日本ではおかず用に大きいので、気合を入れて細かく刻んでください。

作ってみて分かったのは、生地の色の違い。フィンランドはライ麦生地かな。いつかライ麦生地でもやってみようと思います。ライ麦生地ならもっとザクザクしているのかも。というわけで、フィンランドと日本の中間くらいになりましたが、これはこれでとても美味しかったです。

私は生地を作るのが好きなので、むしろ楽しいと思っているのですが、面倒ならば京都のカフェアアルトのように市販のパイ生地を使えばいいです。

日本で食べるフィンランドの味です。どうぞお試しくださいね!

改めてアアルトの写真を見ると中ほどにチーズが入っていますね。多分、生地を注いでからチーズを入れているのでしょうが、このレシピはミニサイズなのでそうそう上手く沈んで中間にとどまらない気がする。生地→チーズ→生地の順ならできるかな??

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