スウェーデンのキャベツとひき肉の重ね焼きコールプディング

一体全体何年前のことなのか、何故だったのか、さっぱり思い出せませんが、スウェーデン在住の布物作家オルソン恵子さんが我が家でスウェーデンのコールプディング(Kålpudding)を作ってくれた事があります。コールプディングとはキャベツとひき肉を重ねて焼いた料理。日本の家庭でもキャベツとひき肉を重ねて煮た料理は良く紹介されていますが、コールプディングは先に書いた通りオーブンで焼くことと、味付けにシロップを使って甘じょっぱい味に仕上げる点が違います。

スウェーデンでは定番の家庭料理。恵子さんは作り慣れているので、材料の分量も味付けも目分量で作ってくれました。その時にシロップは無いかと聞かれ、パン作りのためにストックしているモラセスシロップしかないと答えると「それでいいです」とモラセスシロップにしたのですが、本来はスウェーデンのLjus Sirap(ライトシロップ)を使います。

先日別の料理に使うために買ったキャベツが随分と余ってしまったので、そうだコールプディングを作ろうと思い立ちました。冷凍庫にはひき肉を数種類常備しているし、あと必要なのは玉ねぎなので特に買い足すものもありません。

自分の料理記録を見返すと4年ちょっと前に作ったのが最後で、その時は恵子さん流に目分量だったのか特にレシピも残っていませんでした。今回レシピを作るにあたってスウェーデンのレシピを比較して作りやすい分量にしました。

材料に生クリームを使っているレシピがあったので、常備している牛乳とバターに置き換え。シロップは前回と同じくモラセスシロップを使おうかと思ったのですが、ふとハンガリーの友達がハンガリー料理のキャベツパスタ(káposztás tészta)を作った時に砂糖を使っていたのを思い出し、少量なんだから砂糖でもいいんじゃない?と思いつきました。砂糖のストックを見ると黒糖があったのでコクを期待してこちらを選択。もちろん普通の砂糖でもいいですが、もしあれば黒糖や三温糖の方が風味がライトシロップに近づくのでいいでしょう。

分量についてはスウェーデンのシロップメーカーDansukkerのサイトを見ると、砂糖大さじ1はシロップ大さじ1.2で置き換えられるとあったので、それを参考にしました。コールプディングには生リンゴンベリーの砂糖漬け(生ジャム)を添えますが、日本では生のリンゴンベリーは手に入らないのでジャムを使うのを想定して、更に全体の甘味をやや控えめにしました。

分量はいつも通り現地レシピを半分にして2~3人分にしています。4~6人分作る場合は単純に倍量にし下さい。それではレシピです。

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コールプディング

Kålpudding
分量 2 ~3人分

用意するもの

  • 容量1リットルくらいの耐熱容器 (W21cm×D15cm×H7cm)

材料

キャベツの具

  • キャベツ 500g
  • サラダ油 大さじ1
  • 砂糖 大さじ1 あれば黒糖や三温糖
  • 塩 小さじ1
  • こしょう 少々

ひき肉の具

  • 玉ねぎ ½個
  • 合い挽き肉 300g
  • 卵 1個
  • しょう油 大さじ1
  • 牛乳 50cc
  • バター 大さじ1 溶かす
  • 固形コンソメ 1個 砕く
  • 砂糖 小さじ½ あれば黒糖や三温糖
  • 塩 小さじ¼
  • こしょう 少々

付け合わせ

  • 茹でじゃが芋 適量
  • リンゴンベリージャム 適量

作り方

  • キャベツの葉を太目の千切りにする。芯は薄切りにする。
  • フライパンを熱し①のキャベツを弱火で10分くらい炒める。焦げないように火加減に気を付ける。砂糖、塩、こしょうを加えしんなりするまで炒める。味を見て調える。
  • 玉ねぎはみじん切りにする。合い挽き肉に玉ねぎと残りの材料を加えて捏ねる。
  • 耐熱容器の内側にバター(マーガリン)を塗り②のキャベツの半量、③の挽き肉、残りのキャベツを重ねる。
  • オーブンを200℃に予熱し40分焼く。
  • 粗熱が取れたら切り分け、皿に盛り煮汁を注ぐ。茹でたじゃが芋とリンゴンベリージャムを添える。

動画

ヒント

スウェーデンでは砂糖ではなくライトシロップを使います。ライトシロップは日本では手に入らないので、代用で蜂蜜やケーキシロップなどのシロップ類でも良いでしょう。シロップの場合は砂糖の1.2倍にしますが、計りにくいので味見をしながら目分量でいいです。

例のハンガリー料理では先に油で砂糖を軽く炒めてキャラメル風味にするので、同じようにするといいかなと思ったのですが、実は以前それをやったら砂糖が弾けて悲惨なことになったのを思い出してやめました。次回勇気を出してやってみようかな……。

焼いたキャベツは香ばしく、シャキシャキ感も残ります。煮るのとは違い、しっかりとした食感で食べ応えあります。今は甘い冬キャベツが出回る時期です。キャベツをたっぷり食べるこんなスウェーデン料理はいかがでしょうか?

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