ノルウェーのクリスマス料理「Medisterkaker」リンゴとプルーンのソテー添え

11月になりました。暑い暑いと思っていたら、突然寒くなりましたね。昨夜はついに暖房をつけました。猫も布団の上にのってきて、すっかり冬の様子。昨年までは半分冗談で「もう季節が四季じゃなくて二季になったね」なんて話していましたが、もう冗談では済まない感じです。来年はどうなるのか、年々気温が上がるのかと不安になってきます。

今年はもう冬が来ないんじゃないかと心配していましたが、さすがに11月になると気温が下ったばかりでなく、もう夕方5時半には暗くなってきて、ちゃんと冬は来ているんだなあと実感します。こうなってくるとクリスマスのことを思ってしまうのは、装飾や販売など季節を先取りした仕事を長年していたからかも知れません。

クリスマスと言えば、もう20年ほど前、2008年に日本に住んでいたノルウェーの方に料理を教わった時、ちょうどクリスマスの頃だったのでノルウェーのクリスマス料理をいくつか教わりました。たとえばこのサイトに載せているジンジャーブレッドクッキーは彼女から教わったレシピですし、クリスマスに欠かせないデザートのミルク粥も教わりました。

このサイトは私の趣味半分で続けているものなので、以前に作ったことのある料理よりも、新しいレシピにチャレンジしてみたいという気持ちが優先され、過去のレシピにはなかなか手をつけないまま、そんなことをすっかり忘れていました。でも、クリスマスのことを考えているときにふと思い出し、久しぶりに当時のレシピノートを開いてみると、先に書いたスイーツの他にノルウェー風のフィッシュスープとポークミートボール(Medisterkaker)を教わっていました。

ミートボールといえばスウェーデンが有名ですが、実は北欧の各国にあります。

先月、福岡阪急のクリスマスフェアに参加した際に、地元で活躍されている阿南さんのトークを聞きました。阿南さんはデンマークにお詳しく、ちょうどデンマークのミートボールの話が出ました。スウェーデンとドイツに挟まれたデンマークのミートボール(フリカデッラ)は、ドイツのハンバーグとスウェーデンのミートボールの中間くらいの大きさで、養豚が盛んなため豚ひき肉を使うのが特徴とおっしゃっていました。ノルウェーのミートボールも大きさや材料がデンマークとよく似ていて、これは歴史的にデンマークの影響を受けているためかもしれません。

「Medisterkaker/ポークミートボール」はリンゴとプルーンのソテーが添えてあり、この付け合わせてぐっとクリスマスらしい一皿になります。冬の長い北欧では、新鮮な野菜や果物が少なくなりますが、秋に豊かに実り長く保存できるリンゴは、冬に食べられる貴重な生のフルーツで、クリスマスの代表的なモチーフにもなっています。

ノルウェーのクリスマスのメイン料理はデンマークと同じ、ローストポーク(フレスケスタイ)なのですが、このミートボールもクリスマスの定番の料理の一つです。

それでは作ってみましょう。

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ノルウェーのミートボール リンゴとプルーン添え

Medisterkaker
分量 2 人分

材料

  • 豚ひき肉 250g
  • 塩 小さじ 2/3
  • コーンスターチまたは片栗粉 大さじ1
  • こしょう 3振り
  • ジンジャー 2振り
  • ナツメグ 1振り
  • 牛乳 120ml
  • バター(焼き用)
  • リンゴ 1個 紅玉など酸味のあるタイプ
  • タネ抜きプルーン 8個

作り方

  • リンゴは種を取り皮付きのままくし形に8つに切る。プルーンはお湯に15〜20分つけて戻す。
  • 冷蔵庫から出したばかりの豚ひき肉に塩・こしょう・ナツメグ・ジンジャー・片栗粉を加えて捏ねる。次に牛乳を少しずつ加えながらしっかりと、ひき肉が牛乳を吸収するまでしっかりと捏ねる。※肉と牛乳は同じく冷たい温度で混ぜるのがポイント。
  • フライパンにバター大さじ1を熱し、肉ダネを8等分してディナースプーン2本で楕円形にまとめながら、弱めの中火で焼く。片面を4分くらい焼き、焼き色がついたらひっくり返す。両面で計6分ほど焼いて取り出しておく。
  • フライパンを拭き、バター大さじ1を溶かし、リンゴとプルーンをソテーする。プルーンはさっと焼く程度。リンゴは、きれいな焼き色がつき、表面が柔らかくなるまで焼く。
  • 皿にミートボールを4個ずつ盛り付け、リンゴとプルーンのソテーを添える。

動画

ヒント

今回はニュージーランド産の小ぶりで酸味のあるリンゴ「ピンクレディー」を使っています。
あればひき肉にオールスパイスやクローブを入れてもいいです。

レシピを読んでわかる通り、卵やパン粉といったつなぎや風味のための玉ねぎも使われていない、豚肉100%。その分、スパイスの役割は大切。ジンジャーを常備しているお家は少ないかも知れませんが、出来れば用意して頂きたいです。

ノルウェーでは、豚ひき肉にラードやスパイス(多くの場合ジンジャー、オールスパイス、クローブ、ナツメグ、コショウ)があらかじめ混ぜられた、市販の専用豚ひき肉「Medister」が手に入ります。「Medister」で作ったものは残念ながら食べたことがないのですが、写真を見る感じでは、すり身に近いくらい細かいひき肉なのではないかと思っています……誰か教えて。

ちなみに、合い挽き肉を使った一般的なミートボールはKjøttkaker(ショットカーケール)と別の名前になります。ややこしいね。

体が温まるスパイス入りのミートボール。寒い日の夜に、またはクリスマスに、ノルウェー料理を味わってみてはいかがでしょうか。

昔のレシピを見返しているうちに、すっかりノルウェー料理が気になってきました。次は、ノルウェーの「Julekake」または「Julebrød」と呼ばれているクリスマスのパンを作るつもりです。材料はそろえてあるし、レシピも考えました。あとは作るだけなのですが……どうやらノルウェー名物のブラウンチーズと一緒に食べると、とてもおいしいらしい。

むむ……ブラウンチーズを入手しなければ。しばしお待ちを。

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