兵庫に引っ越して日々の買い物の中できのこ類や東京よりも安い気がしています。私だけでなく夫も同じことを言っていました。もしかしたら地域差ではなく全国的に値段が下がっているのかも知れませんが。高いと思っていた椎茸が八百屋で大袋に入ってリーズナブルな価格で売っていたので買ってみました。焼いて食べると美味しい。実は椎茸はあまり好きではなかったのですが、すっかり苦手意識がなくなって、むしろ美味しいなあと変わりました。
一度に食べきれず残った椎茸を見てると、以前日本に住んでいたフィンランド人のアヌさんにきのこパイ(Sienipiirakka/シエニピーラッカ)を教わった時、フィンランドで使うアンズダケやポルチーニの代わりに椎茸を使うといいと聞いて、へー!やってみよう!と思ったっきり一度も家で再現することが無かったのを思い出しました。レシピを取り出すと教わったのは2009年。なんと15年も前のこと!
アンズダケと椎茸では随分と香りが違いますが、要は強い風味のものが良いという事なのかな。それなら舞茸も使ってみたいと思ったものの、冷蔵庫にある他のきのこはシメジとえのきだけ。えのきだけは違うだろうから今回はシメジを混ぜてみよう。
アヌさんはヨガインストラクターで職業柄健康志向が強い人。フィンランド料理を教わった時も、生クリームを牛乳に置き換えるなど伝統的なレシピよりヘルシーになるよういつも工夫していました。今回のきのこパイもフィンランドでは多くの場合はフィリングに生クリームやサワークリームを使うところ、カッテージチーズを使っています。
さて、冷蔵庫を見るとカッテージチーズ以外の材料は全部揃っている。カッテージチーズ風のものなら牛乳から作る事が出来るので買い足す必要はないな。それではレッツクッキング…の前に、カッテージチーズ風の作り方。
今回は必要な100gのカッテージチーズを作ります。牛乳(全乳)400ccを60℃くらいに温め、レモン汁(または酢)を大さじ2加えて優しく混ぜます。水分と白い塊に分離したらキッチンペーパーを敷いたザルの上で濾して白い塊を取り出したら出来上がり。測って100gに足りなかったら濾した水分を足して100gにします。ではレッツクッキング!
フィンランドのきのこパイ アヌ風
用意するもの
- 直径18cmのパイ皿
材料
生地
- 薄力粉 90g
- 粉チーズ 30g
- ベーキングパウダー 小さじ½
- バター 70g 冷やしておく
- 冷水 25cc
フィリング
- きのこ 75g マッシュルーム、椎茸、舞茸など。あれば数種類を混ぜるといい
- 玉ねぎ ½個 正味で70gくらい
- バター 大さじ1
- カッテージチーズ(裏ごしタイプ) 100g
- 卵 2個
- 塩 小さじ½
- こしょう少々
作り方
- ボウルに薄力粉を振るい入れ、粉チーズとベーキングパウダーを混ぜる。小さく切ったバターを加え、指先でバターを潰しながらパン粉のようにポロポロになるまで粉と混ぜ合わせる。水を加え木べらで生地がひとかたまりになるまでまとめる。
- 型にバター(分量外)を塗り、①の生地を指を使って全体に広げる(生地はベタベタしている)。フォークで底に穴をあけ、型崩れしない様にアルミホイルでピッタリと包んで200℃に予熱したオーブンで10分焼く。焼き上がったらアルミホイルは外し冷ましておく。
- きのこと玉ねぎは薄切りにして、バターを溶かしたフライパンでしんなりするで炒める。粗熱を取っておく。
- カッテージチーズと卵を混ぜ合わせ、③のきのこと玉ねぎを加え混ぜる。塩とこしょうで味を調える。
- ②の空焼きした生地に④のフィリングを入れる。200℃に予熱したオーブンで25分焼く。冷めたら切り分けて、お好みのサラダと一緒にどうぞ。
動画
ヒント
動画ではきのこと玉ねぎを先に入れてから卵の生地を流していますが、アヌさんのレシピではあらかじめ両方を混ぜてから生地に入れるようになっています。多分アヌさん方式の方が具が底に集中しないでいいかも。次回はそうやってみます。
カッテージチーズを使っているので軽く食べやすく、むしろ日本人向けかも知れません。フィリングは軽めですが、生地に入った粉チーズが香ばしい風味を加え、満足感があります。サラダやスープを添えれば立派なランチに。冷めても美味しいので持ち寄りパーティーやピクニックにもお勧めです。
フィンランドの味をヘルシーにアレンジしたバージョン。手近な材料でできるので是非お試し下さい。