スウェーデンの塩漬け豚肉/Rimmat Fläsk

実家に行くたびに古くなった食材を点検して処分しています。時には20世紀の遺物を掘り出し「こ、これは!」と感動に震える瞬間も。

で、ある日見つけたのが、この岩塩。賞味期限が「2014.5.2」。ちなみに今は2022年5月。塩には賞味期限は無いと思っていたんだけど、岩塩はあるんですねー。

この年に生まれた子が小学校で九九を覚えるくらい年月が経っているけれど、塩だから大丈夫

岩塩で何を作ろうか…塩豚だな…。

ハムやベーコンなどを作るために肉を塩漬けにすると色が悪くなります。そのため発色剤として「亜硝酸塩」が使われています。最近は添加物を嫌う方が多いので、無塩せきを目にする機会が増えました。実は亜硝酸塩は発色だけでなくボツリヌス菌の増殖を抑制する働きもあります。食中毒は本当に舐めてはいけない死に至る怖い感染症。工場の衛生状態など技術の発展によるものなのかな。私としては食中毒になるより、安全が確認された量による添加物には抵抗はありませんが(それくらい怖いのです)。

どうして岩塩から添加物の話になったのかというと、実は岩塩には含まれている天然成分「硝酸塩」が肉の中で「亜硝酸塩」に変わり、発色と殺菌の働きをするのです。というか、「硝酸塩」が発色を助け、菌の増殖を抑えていることが分かったので、添加物としての「亜硝酸塩」が作られたそうですが。

という訳で塩豚に話を戻すと、塩漬け豚肉/Rimmat Fläsk(リンマートフレスクって読むのかな)はスウェーデンの食生活に欠かせない食品の一つです。ジャガイモ団子(クロップカーカ)、エンドウ豆のスープ(アートソッパ)、ポテトパンケーキ(ラグムンク)などなど塩漬け豚肉を使う料理はスウェーデンの定番です。

今まではそれらの料理を作るときはベーコンで代用していましたが、岩塩が手に入ったので塩豚から作ってみることにしました。ところがレシピ探しに難航。普通にスーパーで買えるものをわざわざ肉から作る人なんて珍しいですものね。散々探して、英語で書かれた外国人向けの情報サイトと、海外に住んでいる実家が精肉屋というスウェーデン人のブログの二つを見つけました。

どちらもほとんど同じ分量と作り方だったので、間違いなさそうです。レシピは容量(水1リットル、塩100㏄、砂糖大さじ1)だったのですが、スウェーデンの換算表を参考にグラムに変えました。ちなみに、手元の岩塩は全然足りなかったので海塩と混ぜて使いました。

岩塩を100%で使っていても、天然の成分なので人工の添加物に比べ充分な殺菌力はありません。なので、できるだけ早めに食べきってください。これは心に留めてくださいね。参考のため私たちは2日で使い切りました。

それでは作り方です。

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スウェーデンの塩漬け豚肉

Rimmat Fläsk

材料

  • 豚バラ肉かたまり 必要量
  • 水 1リットル
  • 塩 120g あれば岩塩、なければ海塩でもOK
  • 砂糖 13g

作り方

  • 用意した肉が浸かるサイズの密封できる器を用意する。器はアルコール消毒をするか、しっかりと洗って乾かしておく。ジップロックなどビニール袋でも良い。
  • 水に塩と砂糖を溶かし、調味液を作る。器に肉と調味液を入れ、冷蔵庫に入れる。1日1回~2回ひっくり返しながら、3日漬ける。
  • 3日経ったら取り出して水気を拭き取り、料理に使う。残った分はキッチンペーパーに包み冷蔵庫で保管し、毎日キッチンペーパーを交換しながら早めに使い切る。

ヒント

今回は350gの肉に、半分量(水500㏄、塩60g、砂糖7g)の調味液を作りました。

できた塩漬け豚肉を厚めの薄切り(ってなんやねん)にスライスして…。

油をひかずに熱したフライパンへ…。

カリカリに焼いて…。

スウェーデンのポテトパンケーキ「ラグムンク」と!

カリカリとモチモチ、塩辛いと甘いの組み合わせが、おいしいー!

ラグムンクのレシピは以前もアップしていますが、分量など見直して新しいレシピを作りました。明日改めてアップしますね!

塩漬け豚を使う、他のレシピは下記をご覧ください。

エンドウ豆のスープには、バラ肉ではなく、腿やロース肉の方が向いています。

余った塩漬け肉は、翌日パスタで使い切りました。すぐに食べる予定の無い場合は冷凍してくださいね!

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スウェーデンの塩漬け豚肉/Rimmat Fläsk」への5件のフィードバック

  1. ああー、おいしそうです。カリカリのところをいただきたい!
    漬け込みや保存の場所は冷蔵庫でよいでしょうか?
    ハーブを一緒に漬けたり擦り込んだりすることもありますか?
    ちょうどイタリアのパンチェッタやグアンチャーレの作り方を調べていたところだったので、ぐぐっと惹きつけられました。3日でできるのうれしいです。日本ではまず売っていないし、売っていたとしてもきっと高い~

    1. 漬け込みも保存も冷蔵庫でOKです。でも、できるだけ早く食べてくださいね!
      ハーブやスパイスを一緒に漬けるとパンチェッタになっちゃうからダメーって書いてありました。スウェーデン人にはスウェーデン人のこだわりがあるんでしょうねえ~。
      パンチェッタの場合は、この後数週間乾燥と熟成をさせるのでしたっけ…?パンチェッタ作りは衛生管理が難しそうですが、その点これなら敷居が低いと思います!

  2. さっそくのお返事ありがとうございます。
    あはは、「パンチェッタになっちゃう」(笑)どストレートに塩オンリーで作ってこそなのですね。
    もったいなくてちびちび食べたくなりますが、お教えに従って早く食べるようにします。
    漬け込むときの水には何かこだわってらっしゃいますか?
    焼いた時に出た脂が美味しそうですが、これは何かにお使いになりますか?(塩っぱいかな・・)
    質問ばかりですみません。お時間のあるときでかまいませんのでよろしくおねがいします。

    1. 実はスウェーデンのポテトパンケーキ『ラグムンク』を作りたくて塩豚を作りました。焼いたときに出た脂はラグムンクを焼くのに使いました(豚から出た脂を使うのがコツとか)。私も塩気が気になって舐めてみたのですが、意外なことに塩気は感じませんでした。
      水はこだわりなく水道水を使いましたよー。ちなみにスウェーデンのほとんどの地域は日本と同じく軟水だそうです。

  3. 旨味をたっぷり吸ったポテトパンケーキ美味しそうです。お返事ありがとうございます!

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