デンマークのカフェに行けば大抵ある(らしい、知らんけど)ケーキ『Drømmekage/ドリームケーキ』。ケーキ生地の上にブラウンシュガーを使ってカラメリゼしたココナッツが乗っています。香ばしく甘いトッピングをふんわりとしたケーキと一緒に口に運ぶと何とも言えず美味しく、正にドリーム。
このケーキは1960年代にデンマーク中に広がりましたが、それまではユトランド半島の一部で作られているだけでした。1960年、現在も存在しているデンマークの、ケーキミックスなどを製造している粉もの製品会社Amoがコンテストを開くためレシピを募集しました。当時13歳のJytte AndersenはMarie Nielsen Højgaardおばあちゃんが昔から作っているケーキ『Østergaardskagen』を作って、指定されたホテルのキッチンに持って行ったそうです。
それから半年、コンテストの結果についてなんの音沙汰もないままだったのですが、ある時Amoのレシピブックに自分のケーキがドリームケーキの名前で無断掲載されているのを発見してびっくり。60年前のこと、知的所有権って何ですかの時代。腹が立ったけれど13歳の子供なのでどうしたものか分からない。それを地元の食品店がAmoに抗議し、Amoからはお礼としてAmo製品が詰まった箱が送られ、この話は終わったとか。
夢のケーキの割には夢を壊されるような話ですが、夢のように美味しいのは本当。昔はココナッツは高級品だったので、おばあちゃんはクリスマスなど特別な日にしか焼かなかったそう。
さて、レシピの前に言い訳しないといけないのですが、多くの場合このケーキはスクエア型で焼き、小さな四角形に切って出されます。ちょうどいいスクエア型がなかったので直径18cmの丸いケーキ型で焼きました。丸でも構わないのですが、問題は形ではなくサイズ。イメージしていたのは生地がもっと薄い。これはこれで美味しかったのですが、同じレシピで一回り大きい直径21cmにするか、18cmなら半分の量にしてもいいかも。
いつか卵1個で直径18cmで作ってみようと思ってはいますが、まずは今回作ったレシピを書きますね(動画も撮ったしね!)。
ドリームケーキ
用意するもの
- 直径18cm、あるいは直径21cmのケーキ型
材料
ケーキ生地
- 薄力粉 150g
- 砂糖 150g
- バター 40g 溶かす
- 卵 2個
- 牛乳 100cc
- ベーキングパウダー 小さじ2/3 大体でいいです。
- バニラエッセンス
トッピング
- バター 70g
- 黒糖 110g なければ三温糖
- ココナッツファイン 70g ココナッツロングでもOK
- 牛乳 50cc
作り方
土台の生地を作る
- 卵と砂糖を泡立てでふんわりとするまで泡立てる。
- 溶かしバターを加えさらに泡立てる。
- 薄力粉とベーキングパウダーを振るい入れ、牛乳とバニラエッセンスを加えさらに泡立てで混ぜる。
- クッキングシートを敷いた型に流しいれ、180℃に予熱したオーブンで35分~40分焼く。
トッピングを作る
- 小鍋にトッピングの材料を全て入れて火にかけ、溶かし混ぜる。
仕上げる
- ケーキをオーブンから出し、上にトッピングを広げ、200℃に温度を上げたオーブンで10分焼く。
- 冷めてトッピングが固まったら型から外し、冷ましておく。
動画
ヒント
生地にあまりバターが入らないのですが、トッピングのバターがしみこむのか、しっとりとして美味しい生地になりました。
ところでドリームケーキを作ろうと思ったきっかけは、近くに住むフィンランド人が沖縄のお土産にと黒糖を持ってきたことと、シナモンロールを作るべくネットでシナモンパウダーを頼んだら間違えてココナッツが来てしまったこと(代金は返金してくれました)。これは神の啓示かなと。フィンランドとスウェーデンがきっかけでデンマークのケーキを焼いたという、北欧巡りのような話でした。