デンマークでは子供の誕生日には『Kagemand (ケーエマン)』という人間の形のお菓子でお祝いします。ケーエマンとはケーキマンの意味。人間の形をしていれば何で作っても良いようですが、一般的にはイースト菓子のBrunsviger(ボーンスビア)、あるいはデンマークらしくデニッシュ生地にアイシングを施したパターンが多いみたい。
前から興味はあったので、自分の誕生日を機会にBrunsviger(ボーンスビア)のKagemand (ケーエマン)を作ってみることにしました。北欧では自分の誕生日のケーキは自分で用意して学校や職場に持参するので、北欧的には普通のこと。
ちなみにボーンズビアはアンデルセン(1805 – 1875)の故郷オーデンセのあるフュン島発祥。1830年にはすでにオーデンセのベーカリーの広告に出ていたというのだから、アンデルセンも食べていたに違いありません。今ではデンマーク全土で食べられていて、10月11日はボーンズビアの日に制定されているのですって。通常は四角く焼き上げたものを切り分けて販売されています。
200年も作られているのだから、家庭やベーカリーによって材料の配合にいくつものバリエーションがあります。今回は手持ちの本に加え、ネットで検索したレシピ5種類、合計全6種類を参考にしつつ、日本のオーブンサイズに合わせた分量に調整して作りました。すごく美味しく出来たので、ぜひお試しください。
それでは作り方です。
ボーンズビアのケーエマン
用意するもの
- オーブン天板(25cm × 30cm)
材料
土台
- 牛乳 125cc
- ドライイースト 小さじ2
- 卵 1個
- バター 50g 溶かす
- 砂糖 大さじ2
- 塩 ひとつまみ
- 強力粉 250g
グレーズ
- 黒砂糖 80g
- バター 50g
作り方
- 牛乳を40℃くらいに温め泡立てで混ぜてイーストを溶かす。
- 1)に溶かしバター、卵、砂糖、塩を加え、砂糖が溶けるまでよく混ぜる。
- 2)に強力粉を入れてかき混ぜ、ある程度まとまったら粉を振った台に空け、5分ほどよく捏ねる。
- 3)をボウルに戻し入れ、ラップなどでカバーをして30分くらい、あるいは2倍まで室温で発酵させる。
- 生地が発酵したらローリングピンでオーブンの天板の大きさに伸ばし、クッキングシートに乗せて天板に入れる。乾いた布巾などでカバーして15分寝かせる。
- 生地を寝かせている間にグレーズを作る。グレーズの材料を小鍋に入れて弱火にかけ、かき混ぜながら黒砂糖を溶かす。沸騰させないように。
- 寝かしていた生地に、人の形になるように切り目を入れる。ちょっとジャミラっぽい。
- 7)に指でポコポコと凹みを作る。
- 周囲を1cmくらい残してグレーズを塗る。
- 200℃に予熱したオーブンで20分焼く。15分くらい経ったら時々チェックしてグレーズが焦げそうだったら温度を下げるか、場合によっては早めに終了する。グレーズが沸騰してボコボコとしていたらOK。
- 冷めたらアイシングやチョコペン、キャンディーやグミなどで飾り付ける。
動画
ヒント
デンマークではもっとグミやキャンディー、そしてデンマーク国旗を使って飾り付けるのですが、グミって絶対に合わないと思い、かなり控えめにしました。大人だしね。
そうそう、基本は子供の誕生日のお祝い用ですが、しゃれで大人の誕生日に用意することもあるそうです。
まず首を切り落として、その時にみんなで悲鳴を上げるのが習慣。
バラバラ。
表面カリッ、内側ふんわりのパン生地に、ねっとりしていながら、部分的にカラメル状になったグレーズが香ばしくて美味しいです。もちろん人の形にしなくても、四角いまま焼き上げてOK。残ったら冷蔵庫で保管してレンジで再加熱すればフワフワに戻ります。
こちらはレシピを考えていた時のノート。日本のオーブンレンジの天板に合う分量で、かつ無駄の出ない人型のカット方法について色々考えました。参考にしたレシピのイースト量がやたら多いのは生イーストだから。
作る前の考えている時間も結構楽しいのです。
オマケ。邪魔する猫。