神戸で北欧料理イベント・デンマークのコミュニティ食堂日本版を体験

インスタでフォローしているVelkommen(ヴェルコンメン)というアカウントがあります。ノルウェーに留学していた日本人大学生5人が、ノルウェーを中心に北欧の魅力を発信しているアカウントです。

そのVelkommenが、デンマークをモデルにした食コミュニティMadboks Japanとコラボして、デンマークとノルウェー、2か国の伝統料理(スモーブローとフィッシュスープ)を提供するイベントを開催するというので、興味があって行ってみました。

場所は神戸市外国語大学。我が家からは1時間くらい。友人に言うと「遠いねー」と言われたのですが、東京では1時間くらいの移動時間は普通だったので、個人的にはあまり遠い感じはしませんでした。住環境の違いを感じますね。

会場は大学のキャンパス内ではなく、少し離れた場所にあるサテライト施設。和室の部屋で、ホワイトボードには学生さんたちが描いたデンマーク語とノルウェー語の歓迎メッセージとイラストが可愛らしく描かれていました。

学生さんたちが準備しているのは、デンマークのオープンサンドとノルウェーのフィッシュスープ。Madboks Japan代表の山口さんが「本当はライ麦パンなのですが、手に入らなかったので食パンで」と言っていました。教えてくれたらライ麦パンが手に入るところをお伝えしたのになあ!

こちらが出来上がりです。頑張って作ってくれて、どちらも美味しかったです。

山口さんに、このイベントの目的についても聞いてみました。彼女はデンマークに数か月、ボランティアをしながら滞在していた時に、コミュニティレストランの存在を知ったのがきっかけだそうです。

デンマークではFællesspisning(フェッレスピースニン)と呼ばれる「みんなで食事をするコミュニティ」があり、ボランティアによって運営され、100デンマーククローネ程度のリーズナブルな価格で食事を提供しています。

ここでは、普段の暮らしでは接点のないような立場や職業の人たちが同じテーブルを囲み、会話を楽しみます。特別なイベントではなく日常に溶け込んでいて、学生が「飲みに行く前にちょっと寄る」といった感覚で気軽に参加することもあるのだとか。

こちらはそのうちの一つで、良く知られているAbsalonのインスタグラム。

山口さんはそんな文化を日本にも広げたい、という思いで活動しているそうですが、思ったような広がり方をしていないとか。

そこで私も、以前聞いた話をしました。近所で「子ども食堂」をしているところがあるのですが、子ども無料、大人500円という形で始めたところ、思ったほど子どもが来ず、今では高齢者の集まる場所になっているそうです。地域の居場所としては良い面もあるのでしょうが、当初の目的とは少し違う形になっているようです。

「なかなか難しいですね。どうして日本ではこういう形が広がらないんでしょうね。デンマークでは参加する人にどんなメリットがあるんでしょう?」そんな話をしたのですが、その場でははっきりした答えは出ないまま終わってしまいました。

そこで帰宅してから、「なぜデンマークではコミュニティレストランが支持されているのに、日本ではあまり広がらないのか」とAIに聞いてみました。

AIはいくつか理由を挙げてきました。


1.「他人と食べる」文化の違い
デンマークでは、食事は単に食べるだけのものではなく、人と時間を共有する大切な場と考えられています。一方、日本では食事は家族や友人など、すでに関係のある人とするものという感覚が強く、知らない人と食卓を囲む機会はあまり多くありません。

2.「知らない人と交流する」心理的ハードル

デンマークのfællesspisningは、同じテーブルの人と話すこと、初対面でも雑談することが前提です。日本では、知らない人に話しかけない、空気を読む、迷惑をかけないといった社会規範が強く、「初対面の人と話さなければいけない食事」はむしろストレスになりやすい面があります。

3.日本は外食インフラが強すぎる

日本は「安い・早い・美味しい」外食が手軽に手に入るのに対して、デンマークでは「外食が高い・自炊が基本」。一人暮らしの食事が面倒という事情もあります。

4.ボランティア文化の違い

多くのデンマークのコミュニティレストランは、住民ボランティアがシフト制で運営し、自分も作り手として参加します。一方、日本では「客として参加する文化」「運営はプロがやるもの」という意識が強く、運営者だけが疲弊して終わるケースも多いそうです。


AIがいつも正しい答えを出すとは思っていませんが、どれも納得できる内容で、中でも3番は強く共感しました。デンマークの外食、高いんですよねー!

2023年のカストラップ空港のカフェのオープンサンド

ちなみに、今回のイベントの参加費は1000円でした。普段は500円で開催しているそうなのですが、今回は材料費もあり少し高めとのこと。

「いつも1000円くらいでもいいんじゃないですか?」と聞くと、山口さんが「1000円あれば学生ならコンビニやファストフードでいい、となってしまうんですよね」。

確かに、日本は外食が安くて手軽です。コンビニも充実していますし、一人でも気軽に食べられるお店がたくさんあります。そう考えると、わざわざ時間を作ってコミュニティ食堂に行く理由は、単に「食事ができる」だけでは弱いのかもしれません。

デンマークのコミュニティ食堂「Fællesspisning」では、食事そのものだけでなく、同じテーブルを囲む人との会話や時間を共有することに価値があります。それは、人と過ごす心地よい時間を大切にする「Hygge」の文化にもつながっているのでしょう。

コミュニティ食堂の魅力は「安く食べられること」ではなく、「そこで誰かと出会い、時間を共有すること」にあるのかもしれません。

実はアイルランドに住んでいた時期があるのですが、その時、アイルランドの人に「ヨウコは日本に戻ったらコミュニティはあるの?」と尋ねられたことがあります。

「コミュニティって?」

「例えば、私たちなら同じ教会に行っている仲間があるわけ」

いかにもカトリック国らしい説明でした。日本では町内会がそれにあたるのかもしれませんが、それほど強い結びつきがあるわけでもなく、「そういった意味ではないかも」と答えた記憶があります。

日本では(地域によるのかもしれませんが)、コミュニティという単位で何かを行うという発想が、あまり強くないのかもしれません。今年度、私は町内会の会長を務めているのですが、地域ぐるみで活動する難しさを日々実感しています。

実は今回、同じテーブルを囲んだ方と連絡先を交換し、料理を通じて何かできるかもしれませんね、という話をしました。今回のように興味を持って集まった人たちが一つのテーブルを囲み、料理をきっかけに話をする。そんな小さな積み重ねが、少しずつ新しいコミュニティを生んでいけばいいなと思いました。

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