ロールストランド博物館で食べた夢の町パン

2014年、スウェーデンのLidköpingにあるRörstrand Museum(ロールストランド博物館)を訪れました。

陶器好きにはたまらない場所ですが、実は私にとって忘れられない思い出になっているのは、併設カフェで食べたランチです。

スウェーデンではよくあるビュッフェ形式のランチで、この日のメインはローストポーク。シンプルなのに驚くほど美味しくて、「ああ、スウェーデンのこういうごはんが好きなんだなあ」としみじみ思ったのを覚えています。

そして、その時に特に印象に残ったのがパンでした。甘みがあるしっとりとしたパンで、塩気のあるバターを塗るだけでも本当に美味しい。

名前は「drömstadslimpa(ドロームスタードスリンパ)」。直訳すると「夢の町のパン」という意味ですが、実はこれは、LidköpingのDrömstan地区に住むカフェスタッフのお母さんが作ったレシピなのだそうです。

カフェでとても人気があったようで、なんとレシピがポストカードと材料のセットになって販売されていました。欲しい!と思ったのですが、旅の途中で食品を持ち歩くのが少し不安で、その時は購入を断念。

ところが、あの味が忘れられず、買わなかったことを後悔。帰国後に調べてみると、実際にそのポストカードを見て作ったという方がレシピを公開していて、「いつか作ろう」と保存したまま……気づけば10年以上が経っていました。

このパンの面白いところは、イーストではなくベーキングソーダ(重曹)で膨らませること。つまり発酵不要。材料を混ぜたらそのまま焼ける、とても気軽な北欧パンです。

先日、自宅用にシード入りのライ麦パン「SASで食べたライ麦パン」を焼いた時のこと、「あれ、この材料があればあのパンが作れるのでは…?」と、遠い記憶がふっと蘇りました。

そんなわけで、ようやく作ってみることに。

オリジナルレシピでは容量2リットルほどの型を使っていましたが、今回は日本の家庭でも作りやすいよう、分量を手持ちのパウンド型に合わせて調整しました。

ところで、家庭で作るケーキのサイズって、年々小さくなっていますよね。うちにあるパウンド型で、普段よく使っているのは長さ21cm・容量850mlで、卵2個で作るサイズ。今回もこのサイズに合わせたレシピにしています。

これでも子供の時に母と作っていたパウンドケーキの半分サイズなのですが、ネットで調べると今はさらに小さく、18cm・700ml前後(一番左の型)が良く使われているようでした。

100円ショップで買った型も850mlでしたので、もしお手持ちの型が小さめでしたら、100円ショップの型を使うのもおすすめです。

ほんのり甘く、ナッツの香ばしさのあるこのパンは、しょっぱいおかずと相性抜群。今回は冷蔵庫にあったチーズをのせて食べましたが、カフェではエビのオープンサンドとして提供されることもあるらしく、それはそれは美味しいのだとか。

甘みのあるパンとシーフードの相性の良さは、北欧料理ではおなじみ。いつか試してみたいなと思っています。

それではレシピです。

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ドロームスタードスリンパ

Drömstadslimpa

用意するもの

  • 21cm パウンドケーキ型 容量850ml程度

材料

  • 強力粉 120g
  • 薄力粉 80g
  • オートミール 45g
  • ベーキングソーダ(重曹) 小さじ1弱
  • 塩 小さじ½弱
  • ひまわりの種 25g
  • フラックスシード 大さじ1弱
  • モラセスシロップ 大さじ2と½
  • リンゴンベリージャム 大さじ2と½
  • プレーンヨーグルト 250g

作り方

  • オーブンを180℃に予熱する。型にバター(またはマーガリン)を塗って小麦粉をはたくか、クッキングシートを敷く。
  • ボウルに粉類、オートミール、塩、シード類を入れて混ぜる。モラセスシロップ、リンゴンベリージャム、プレーンヨーグルトを加え、粉気がなくなるまで混ぜる。
  • 生地を型に流し入れ、表面をならす。お好みでシードを散らし、180℃のオーブンで45〜50分焼く。
  • 粗熱が取れたら型から外し、網にのせて冷ます。

動画

ヒント

焼きたても美味しいですが、翌日のほうが味がなじみ、しっとり感も増しておすすめです。
ひまわりの種の代わりにパンプキンシード、フラックスシードの代わりに胡麻を使っても大丈夫です。
モラセスシロップは、黒糖やはちみつなど他の蜜で代用可能です。風味は少し変わりますが、それぞれ違った美味しさになります。

12年前、ロールストランド博物館に行ったのは、まさに今の時期。ここ数年、日本はますます暑くなり、まだ5月なのに夏の暑さになっています。暑くも寒くもなく、鮮やかな菜の花の黄色に覆われた5月半ばのスウェーデンは本当に美しかった。私にとっての「夢の町(Drömstad)」とは、あの時に見たスウェーデンの景色そのものです。

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