砂糖・油なし、全粒粉100%なのにしっとりもちもちパン

タイトル通りのパンのレシピです。全粒粉100%なのにしっとりしているのは、湯種製法にしているから。当然のように書きましたが、今回湯種製法というのを初めて知りました。前回作った「捏ねないデンマークのお粥パン」同様、粥状のものを混ぜる事でしっとりもちもちになっています。

そもそも、このパンを作るきっかけは、今月末に控えている大丸神戸店のプレゼン用にニシンの酢漬けを使った料理「Gubbröra」の撮影に使うパンを作らなきゃと思ったことでした。手に入りやすい日本のパンはふわふわでオープンサンド向きではないので、あちこち探すより自分で作った方が手っ取り早い(引っ越してから簡単に買い物に行ける場所でなくなったし)。

いつもならライ麦パンにするところなのですが、たまたま見たGubbröraのレシピに「Osötat fullkornsbröd(甘くない全粒粉パン)」と食べるとあったので、レシピを検索してみました。どうせ撮影用にちょっと使うだけだしと、手順や材料が多いものはどんどんパスして、出来るだけ簡単で単純なレシピを探していて見つけたのがこのパンの元になったレシピです。

材料が全粒粉、塩、イースト、水の4つだけなのも、一次発酵だけなのも手軽で良かったのですが、最初に少量の粉と熱湯を混ぜてしばらく置くという方法に驚きました。日本語で調べてみると湯種製法といい、熱湯で粉を練って糊状のものを作ることでもちもちとした食感と時間がたってもパサつかない仕上がりにすることだそう。なるほど、全粒粉のパンはパサつきがちだからこれはいいかも。しかも日本のレシピでは一晩寝かせるところ、10分とあるのが魅力的。何より初めて見る湯種製法をやってみたくてたまらない。

結局、ちょっと撮影に使うだけだし~とか思っていたのに、分量を変えて2回も作ってしまった。つまりは気に入ったという事ですね。ちなみに、オリジナルレシピは水分量が80%のところ、75%にしています。減らしたとはいえ、かなり高加水パンなのでしっとりした仕上がりになります。したがってしっとりもちもち。

これによく似たレシピは他にもあったのですが、湯種製法で作っていたのはこのレシピだけ。それもプロではなく、一般の方の料理ブログでした(もう5年以上更新されていない)。なので、これがスウェーデンの伝統というと違うと思います。

とはいえ、オープンサンドには使いやすいし、初めてパンを作る人にも簡単と思うので、ぜひ作ってみて下さい。

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砂糖・油なし、湯種製法の全粒粉100%パン

Osötat fullkornsbröd

用意するもの

  • 21cmパウンド型 容量800㏄程度
  • スケッパー

材料

湯種用

  • 全粒粉 30g
  • 熱湯 50㏄ 80℃以上
  • 塩 2g

パン生地用

  • 水 100㏄
  • イースト 2g
  • 全粒粉 170g
  • (オプション)ディルシード、キャラウェイシード、アニスシードなど好みのスパイス 2g

作り方

  • 型にクッキングシートを敷く。
  • 大き目のボウルに湯種用の全粒粉、塩、熱湯を混ぜ、へらで粘りが出るまでしっかりと混ぜ合わせる。ラップをして10分休ませる。
  • ②に水を加えかき混ぜる。イーストと全粒粉を加えへらで全体が馴染むまでかき混ぜる。
  • 生地を台に出し、150回くらいしっかりと捏ねる。水分が多く捏ねにくいので台に押し広げるように伸ばして、スケッパーでまとめて、また伸ばし広げて、スケッパーでまとめるを繰り返す。
  • この段階でスパイスを入れる。生地を平たくし、その上にスパイスを広げる。スパイスを包むようにたたんで広げ、たたんで広げるのを繰り返し全体に混ぜ込む。
  • 生地を型の大きさにまとめ、型に入れて指で端までしっかりと押し広げる。
  • オーブンの発酵機能、または33℃くらいの暖かな場所で50~60分、または型の縁近くに来るまで発酵させる。
  • 水で濡らしたフォークを使い、表面に穴を空ける。
  • オーブンを250℃に予熱する(オーブンの発酵機能を使っている場合は、余熱の時間を引いてオーブンから生地を出しておく)。予熱したオーブンに生地を入れ、200℃に下げて40分焼く。
  • 焼き上がったら型から出して布巾で包み、ひっくり返して網の上で冷ます。

動画

ヒント

スパイスは入れなくてもよいです。

たまたま近所の方にいただいた甘夏で作ったマーマレードがあったので、北欧の定番組み合わせの一つ、チーズ&マーマレードで頂きました。

ちなみに1回目は撮影用のつもりだったので、1斤用のケースで粉の分量330gで作りました(オープンサンドになっているのはその時に作ったものです)。水分量もオリジナルに近く、約80%でした。水分が多いと捏ねにくいので機械で捏ねています。

北欧の(北欧に限らずかも知れませんが)パンレシピを探すと、往々にしてニーダーで捏ねるレシピになっているんですよね。ニーダーって家庭に普通にあるもんなん?いや、有ったけどさ、ノルウェー人の家に。ちなみにニーダーとはこれです。夫がプレゼントしようかと言ってくれたのですが、でかいから無理。

これは1斤で焼いたバージョンを使ったオープンサンド。例の(?)Gubbröraと、スウェーデン人が大好きな(私も大好きな)「ミートボール&ビーツサラダ」の組み合わせです。

ニーダーを買わずにこれを買いました。パン生地が3分で捏ね上がるクイジナートのハンドミキサー。ずっと使うチャンスを狙っていたので、この機会に使ってみました。

参考のために1回目にクイジナートでパン生地捏ねたときの様子がこちら。本当に3分で捏ね上がりました。すごい楽だった。次にシナモンロールを作るときはこれでやってみよう。

というわけですが、1斤用の型もクイジナートのミキサーもお持ちでない方の方が多いと思い、パウンド型を使い、かつ手ごねで作りやすいレシピにしたのがこのレシピです。

あと、動画を見ていただければわかる通り、型にクッキングシートを敷いていなかったので取り出すのに相当苦労しました。テフロンだから大丈夫だろうと甘く見ていたので、正直失敗した。シート使うことを強くお勧めします。

ではでは。

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