デンマークのパン「Grødboller」です。直訳すると「お粥パン」。お粥と言っても米粥ではなく、オートミール粥のことです。パン生地にオートミール粥を混ぜるので、焼き上がりは外側が香ばしく、内側がしっとりモチモチ。
きっかけは去年の初夏の頃、何かを作るために買ったオートミールが残ってしまったので他に出来るものが無いかしらと検索して見つけたデンマークのレシピ動画。一晩発酵させた生地をスプーンですくって天板にぼとぼと乗せているのを見て「面白い!」と目が釘付け。オーバーナイト方、いわゆる「捏ねないパン」方式で作るのも興味深い。
Grødbollerを調べると市販もあればミックス粉も売っている。子どもが学校で習ったというブログもあったので割とよく作られているみたい。また残り物のお粥を使う、再生レシピでもあるようでした(しばしば残りますよね?←残らへんわ!)。
とりあえず、レシピをいくつか参照しながら試作したのですが今一つ。更に他のレシピも調べて、分量や手順を変えて作ったのですが、ちょっと違う。なにせ簡単に出来るものだから、同じ日に配合を変えて2種類生地を作って冷凍庫がいっぱいになってしまう日も。そうこうしているうちに、手持ちのオートミールが無くなって、買い足すという本末転倒。いったい何回作ったのかな……10回くらいかな。レシピノートへの書き込みは4ページになりました。
夏になると、引っ越しやらレシピ本作りやらで何も手を付けられなかったのですが、一段落して試作再開したのが去年の11月。なんかちょっと上手く出来たんじゃないかなと夫に感想を求めると「もうお粥パンは食べたくない」と手にしてもくれず、気持ちが凹んでしまってそのまま放置していました(今度は美味しく出来たんだけどなあ)。
前回、某Web記事のために作ったレシピを再発掘しましたが、そのレシピの横に書いてあったのがお粥パンだったのと、11月に作った時のオートミールが残っていたのを思い出し、動画と写真を撮りながらまた作りました、しかも2回!2回とも安定した出来だったので、ようやく9カ月にわたるレシピ完成となったわけです。
前置きが長くなりましたが、作り方に行きましょう!
デンマークのお粥パン
材料
- 強力粉 150g
- 薄力粉 50g
- インスタントドライイースト 4g
- 砂糖 20g
- ☆ オートミール 30g
- ☆ 水 100cc
- ☆ 牛乳 100cc
- ☆ 塩 4g
- 水 50cc
- サラダ油 大さじ½
作り方
1日目
- 大き目のボウルに強力粉、薄力粉、砂糖、インスタントドライイーストを混ぜておく。
- ☆のマークの材料を深めの器に入れて混ぜ、電子レンジ(600W)で2分加熱する。電子レンジから出し、水50ccを加えてかき混ぜ、オートミール粥を作る。
- ②のオートミール粥に指を入れ、お風呂の温度くらいになっているか確かめる。指を入れて耐えられないくらい熱いなら、かき混ぜながら適温に冷ます。①のボウルに注ぐ。
- へらで粉っぽさが無くなるまでしっかりと混ぜる。混ざったらサラダ油を加え、混ぜ込む。
- ボウルにラップをして30分から1時間室温に置く(夏は短めで)。冷蔵庫(できれば野菜室)に入れる。一晩(12~20時間)寝かせる。
2日目
- 冷蔵庫から生地を取り出し、室温で1時間くらい寝かせる。
- 天板にクッキングシートを敷く。コップに水を入れ、大きなスプーン二つをつける。濡らしたスプーンを使って、生地をボウルからすくって丸めながら天板の上に乗せる。毎回スプーンを濡らして生地をすくって丸める。全部で6個作る。
- 生地の上にオートミール(分量外)を振りかけ、乾いた布をかぶせて30分くらい寝かせる。その間にオーブンを250℃に予熱する。
- 予熱したオーブンに入れ、オーブンの温度を220℃に下げ、20分焼く。焼き上がったら網の上で冷ます。
動画
ヒント
混ぜ終わった時の生地と冷蔵庫から出した時の生地の大きさの比較です。スライダーを左右に動かしてください。
ボウルの底を見ると発酵しているのが分かります。
時間はかかりますが、手を使う作業は普通のパン作りに比べると圧倒的に少ないです。
かみしめるほど美味しいパンです。横に切ってバターやチーズ、ジャムとどうぞ。翌日以降なら横半分に切ったものをトースターで焼き直すと香ばしさが復活します。
ちなみに、今回使ったオートミールはこちら。いつもと違うお店で買ったら、偶然フィンランド産でした。
今回は一晩寝かせて朝焼いているのですが、朝に仕込んで夜に焼いてもいいですよね。