セムラとラスキアイスプッラどちらか選べないならどちらも作ろう!

スウェーデンでは四旬節(キリスト教の典礼のひとつ)が始まる前日の火曜日にセムラというお菓子を食べる習慣があります。スウェーデン文化の影響を受けている隣国フィンランドには20世紀初めにその習慣は伝わったものの、セムラにつきもののアーモンドが高価だったため、ジャムに置き換えられました。

四旬節(しじゅんせつ、ラテン語: Quadragesima)は、カトリック教会の典礼暦において、復活祭の40日前の水曜日(灰の水曜日)から復活祭の前日(聖土曜日)までの期間を指す用語である。

Wikipedia

セムラはフィンランド語でラスキアイスプッラ(Laskiaispulla)。四旬節の前日を意味するLaskiainenと甘いパンを意味するPullaの複合語です。セムラとラスキアイスプッラは同じものを指すので、もちろんアーモンドペースト入りでもラスキアイスプッラです。

ただフィンランドでは先ほど書いた理由から、ジャムのフィリングとアーモンドペーストのフィリングが共存していて、フィンランド人の中でもジャム派とアーモンドペースト派に分かれているみたい。ちなみに、現フィンランドセンター所長のアンナ–マリア・ウィルヤネンさんはスウェーデン系フィンランド人というバックグランドのためか、絶対的にアーモンドペースト派だそうです。

さりとて、どちらも食べてみたい、という方のためにジャムとアーモンドペーストを同時に作ってみました。どちらもフィンランド語ではラスキアイスプッラなのですが、便宜上ここからはアーモンドペーストをセムラとスウェーデン語で、ジャムをラスキアイスプッラとフィンランド語で書き分けますね。

パンの生地は何度も作って改良しているので、前回とは異なります。それに合わせてフィリングのレシピなど少しずつ変えています。また北欧のレシピより全体量を少なく、サイズも小さくしています。それでは、レシピです。

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セムラ&ラスキアイスプッラ

分量 6 個分

材料

パン生地

  • 牛乳 90cc
  • インスタントドライイースト 3g
  • 砂糖 25g
  • ベーキングパウダー 小さじ½
  • カルダモンパウダー 小さじ½
  • 塩 一つまみ
  • 卵 20g
  • 強力粉 100g
  • 薄力粉 60g
  • バターまたはマーガリン 30g

セムラ用アーモンドペースト(3個分)

  • アーモンドプードル 30g
  • 砂糖 20g
  • 牛乳 大さじ2くらい(様子を見ながら加減) 温める

ラスキアイスプッラ用(3個分)

  • ラズベリージャム 適量 お好みのジャムでもOK

デコレーション用(6個分)

  • 生クリーム(脂肪分45%前後) 100㏄
  • 粉糖あるいはパールシュガー 適量

作り方

パンを作る

  • ボウルに40℃くらいに温めた牛乳とイーストを入れて泡立てでかき混ぜる。
  • 砂糖、塩、カルダモン、ベーキングパウダー、卵液を順に加えてかき混ぜる。
  • 強力粉と薄力粉を3回くらいに分けて加えかき混ぜる。泡立てが重くなったら手に替えて捏ねる。
  • 全体が混ざったらバター(マーガリン)を加えて練り込みながら捏ねる。ある程度生地がまとまったら打ち粉をした台にあけて10分くらいしっかりと捏ねる。
  • きれいにしたボウルに生地を戻し、ラップをかぶせて温かい場所、あるいはオーブンの「発酵モード」で1時間、あるいは1.5~2倍になるまで発酵させる。
  • 台の上で30秒くらい軽く捏ね、6等分して丸める(1個53gくらい)。天板に並べ乾いたクロスをかぶせて温かい場所、あるいはオーブンの「発酵モード」で30分、あるいは1.5倍くらいになるまで発酵させる。
  • 生地に使った残りの卵液を艶出しのために表面に塗る。ラスキアイスプッラ用の3個に(あれば)パールシュガーを振りかける。
  • 200℃に予熱したオーブンで10分から12分焼く。焼きあがったら網の上に乗せ冷めるまでクロスを被せておく。
  • パンが冷めたら上部1/3くらいの位置で横に切る。
  • 生クリームを角が立つまでホイップする。

セムラを作る

  • セムラ用の3個の中身を指でつまみだして穴を作る。
  • アーモンドプードル、砂糖、パンの中身を混ぜ、牛乳を餡子くらいの硬さになるまで様子を見ながら加え、アーモンドペーストを作る。
  • パンの穴にアーモンドペーストを詰める。生クリームを上に絞り出すかスプーンで乗せて切り取った蓋を乗せ、粉糖で飾る。

ラスキアイスプッラを作る

  • ラスキアイスプッラ用のパンに指で凹みを作り、ジャムを適量乗せる。生クリームを上に絞り出すかスプーンで乗せて切り取った蓋を乗せる。

動画

ヒント

セムラ6個作る場合はフィリングの量を培量用意してください。
ラスキアイスプッラにはパールシュガーでなく粉糖を飾ってもいいです。
生クリームは氷水を張った一回り大きなボウルの上で泡立てると早いです。

こちらがジャムフィリングのラスキアイスプッラ。

こちらがアーモンドフィリングのセムラ。

今回はセムラとラスキアイスプッラを1個ずつ作りました。うちは二人家族なので、一度に全部作らないで、食べるときに食べるだけフィリングを作るようにしています。

四十節の始まりは火曜日と決まっているのですが、日にちは毎年異なります。今年は3月1日の火曜日。セムラもいいけれど、ラスキアイスプッラもね!

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