フィンランドでは2月5日に食べるルーネベリタルト(Runebergintorttu/ルーネベルギントルットゥ)というお菓子があります。大体1月になると店頭に並び始め、2月5日以降は店頭から消える1か月限定のお菓子。
これはフィンランド国歌「我等の地」を作詞したユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ(Johan Ludvig Runeberg/1884-1877)の誕生日を祝った習わしです。甘いものが好きなルーネベリは妻のフレデリカの作ったカップケーキを毎朝食べていたとか。そのカップケーキに今ではルーネベリの名前が付けられ、ルーネベリタルトと呼ばれています。
ルーネベリタルトは生地に砕いたジンジャーブレッドクッキーを入れてラズベリージャムとアイシングで飾ったもの。クリスマスのジンジャーブレッドのリサイクル料理なのかも知れませんね。1850年代にフレデリカが書いたレシピが残っています。レシピはフレデリカが考案したとも、元々あった似たようなお菓子をフレデリカがアレンジしたとも言われています。
ルーネベリタルトは細長い筒型に作られます。フィンランドではルーネベリタルト専用型も売られています。私の場合はIKEAのマフィン型「DRÖMMAR」がまさにピッタリなので、毎回これを使っていますが、この型は既に廃番になっています。筒形の市販の紙製マフィン型を使うか、形にこだわらないならお手持ちの通常のマフィン型で作ってもいいです。
ルーネベリタルトをWikipediaで調べると、1個100gくらいあると書いてありましたが、このレシピは50gくらい。日本の人にも食べやすいサイズです。もっともフィンランドでもミニルーネベリタルトが売っているそうなので、さすがのフィンランド人でも大きいと感じる人はいるのでしょうね。
それでは、レシピです。
ルーネベリタルト
材料
生地
- バター、またはマーガリン 60g 室温で柔らかくしておく
- 砂糖 50g
- 卵 1個 室温に戻しておく
- 牛乳 大さじ1
- 小麦粉 50g
- ベーキングパウダー 小さじ½
- アーモンドプードル 40g
- ジンジャーブレッド 45gくらい
- ラズベリージャム 適量
シロップ(作りやすい量)
- 水 50㏄
- 砂糖 20g
- ラム酒など洋酒 大さじ½
トッピング
- ラズベリージャム 適量
- 粉砂糖 大さじ3
- 水またはレモン汁 小さじ½
作り方
- シロップの材料を小鍋に入れ、砂糖が溶けるまで火にかける。
- 型にバター(マーガリン)を塗っておく。
- ジンジャーブレッドはフードプロセッサーを使うか、ビニール袋に入れて麺棒で砕いて粉状にする。
- バターと砂糖を白っぽくふわっとなるまで泡立てですり混ぜる。卵を少しずつ加えて更にかき混ぜる。牛乳を加えてかき混ぜる。
- 小麦粉とベーキングパウダーを振るい入れ、ゴムベラで切るように混ぜる。
- 砕いたジンジャーブレッドとアーモンドプードルを加えゴムベラで切るように均一になるまで混ぜる。
- 型に生地を均等に入れる。大体50gくらい。型の下にスケールを置いて計りながら生地を入れると分かりやすい。
- 水で濡らした指で表面を整え、中心に指を刺して窪みを作る。その窪みにラズベリージャムを小さじ½くらいずつ入れる。
- 200℃に予熱したオーブンで15分から20分焼く。
- 焼きあがったら型のまま冷まし、冷めたら取り出して刷毛を使ってシロップを全体に塗る。しっとりするまでしっかりとひたひたに染み込ませる。ひっくり返して底の面を上にして、しばらくシロップをなじませる。
- 中心にラズベリージャムを乗せ、粉砂糖と水を混ぜて作ったアイシングをジャムの周りに絞り出す。
動画
ヒント
アイシングが先か、ジャムが先か……私は最初に見たレシピがジャムが先だったので、ずっとそうやって作っていましたが、アイシングが先の方がきれいにできる気がしてきました…。そこらへんは決まりはないのでご自由に!
ルーネベリタルトは、最初に書いた通り2月5日を過ぎると店頭からなくなってしまいます。日本で例えると5月5日の柏餅的な?この超絶寒い季節にフィンランドに行く方はレアだと思いますが、もしこの時期に訪れることがあるならば現地で食べてみてください。
ただ、ルーネベリの家があったポルヴォーでは年間を通して食べられるそう。ポルヴォーにそれだけのために行くのも面倒ですが、もしかしたらポルヴォーが組み込まれているフィンランド周遊ツアーがあるかも。コロナが明けたらそんなツアーに参加するのもいいですね。
北欧のジンジャーブレッドを使うのがお勧め。アンナあるいはIKEAので。