リエスカ(Rieska)というフィンランド語は発酵させないパンのことです。発酵させないために当然平たく焼きあがるので、平焼きパンの一種ですね。リエスカは地方ごとに様々なレシピがあり、それぞれの地域が「おいらの村のリエスカが本物だ」と主張するといいます。
以前ジャガイモの平焼きパン『ペルナリエスカ』のレシピをアップしましたね。
ペルナリエスカはフィンランドのどこでも食べられ、また買うこともできますが、このロポリエスカはもしかしたら一部の地域以外ではあまり見かけないかも知れません。
とはいえ、決してマイナーな料理ではなく、リエスカをWikipediaで調べると南サヴォ県のリエスカとして写真入りで紹介されているので、リエスカを代表するレシピの一つなのでしょう。
南サヴォ県はフィンランド南部の地域で、地図に落とし込むと赤い丸のあたり。(ところでWikipediaの地図を使うと出典を書かないといけず面倒だったから自分で描いたら意外と時間がかかったよ。だからざっくりとしているのは勘弁して。)
南サヴォ県のリエスカは大麦を使うので『Ohrarieska/大麦リエスカ』とも呼びます。Ohraは大麦の意味。ロポリエスカの「Röpö」は、調べたのですが今一つ意味が分かりませんでした。一応Google翻訳では「虱(しらみ)」や「失礼な」と訳されます。材料の挽き割り大麦に由来しているようなのですが、うーん… 良く分からん?
大麦は日本で手に入らないのでは、と心配になるかもしれませんが、実は大抵のスーパーで売っている『押し麦』って大麦なんですよ。先に書いた通り本当は 挽き割り大麦を使うのですが、日本では手に入らないので押し麦を代わりに使用します。
また、フィンランドでは発酵乳のピーマ(Piimä)を使うのですが、代用としてヨーグルトと牛乳を混ぜました。大麦のプチプチ感に、ヨーグルトの酸味が少し残った面白い味です。
それでは作り方です。
ロポリエスカ
用意するもの
- 25cm角くらいの焼き型
材料
- ヨーグルト(無糖) 350cc
- 牛乳 150cc あれば低脂肪牛乳
- 押し麦 200cc 150gくらい
- 塩 4g
- 小麦粉 大さじ2
- 卵 1個
- 溶かしバター 大さじ1
作り方
- ヨーグルト、牛乳、押し麦をボウルに入れて混ぜ、一晩置き、押し麦に水分を吸わせる。
- 翌日、ボウルに残りの材料を加えて混ぜる。
- 型にクッキングシートを敷き、生地を全体に広げる。
- 220℃に予熱したオーブンで35分焼く。
- 冷めたら切り分けて、卵バターなどお好みの具を乗せて食べる。
動画
ヒント
定番の具は卵バターだというので、卵バターを作っていただきました。生地にまあまあ酸味があります。北欧の人は酸っぱい味は好きですよね。保存のために発酵食品が古来より多く作られ、それが国民の嗜好に影響しています。これぞ北欧の味。
卵バターはみじん切りにしたゆで卵に同重量のバターを混ぜて作るのですが、今回は健康を考えてバターの半分はカッテージチーズにしました(フィンランドでもカッテージチーズを混ぜることはあります)。
卵バターだけでなく、スモークサーモンにしたり、バターを塗るだけでも美味しいです。あるいはパンの代わりにシチューに添えてもいいです。
朝食に、軽食にフィンランドの伝統の味はいかがでしょう。
もしかしたらもち麦でもできるかな~?