フィンランドに行かれた方は、手の平サイズの丸くて平たく、真ん中に切り込みが入ったライ麦パン「ルイスレイパ(Ruisleipä)」をスーパーやホテルの朝食で見かけたことがあるのではないでしょうか。

このルイスレイパ、フィンランドの北極圏の街ロバニエミのマクドナルドでは、ハンバーガーのバンズとして使われ、現地の名物メニューともなっています。20年くらい前に行ったときの懐かしい写真が出てきましたので、どうぞ!

ところで「ルイスレイパ」をこの丸い形のライ麦パンとして話を進めてきましたが、少し説明が必要です。実は「ルイスレイパ」とはフィンランド語で「ライ麦パン」という意味で、特定のパンの形を指すわけではないのです。かといって、この形のルイスレイパに特別な名称はなさそうなので、便宜上ルイスレイパで話を進めていきますね。
今までいろいろなライ麦パンを作っていましたが、フィンランドでよく見かけるこのパンを、作ったことがないと思い出しました。ただ本格的に作ろうとすると、サワー種を起こすなど手間と時間がかかります。そこで今回は、イーストを使った簡単なレシピを考えてみました。フィンランドのイーストを使ったレシピを参考に、少しずつ改良を重ねて完成した5回目のレシピです。

簡単ルイスレイパで調べると水を使うレシピが多かったのですが、酸味をプラスしたかったので、フィンランドの伝統的な乳製品「ピーマ」を使ったレシピを参考にしました。ピーマはバターを作る際に残る液体で、いわゆるバターミルクのこと。発酵しているのでほのかな酸味があり、バター部分を取り除いているため脂肪分はほとんどありません。
ピーマは日本では手に入らないので、ヨーグルトと牛乳を混ぜて代用にしました。その際ピーマに近づけるため、ヨーグルトと混ぜるのに低脂肪乳を使いました。ヨーグルトも脂肪ゼロのものを使えば、よりピーマに近いかもしれませんが、今回は冷蔵庫に常備している普通のヨーグルトにしています。こだわりのある方は、ヨーグルトも脂肪ゼロにしてみるのも良いでしょう。
焼き上がったルイスレイパは香ばしく、しっとりとしていて、シンプルにバターを塗るだけでも美味しい。

ハムやチーズを挟むと、僅かな酸味と合い、さらに美味しくいただけます。写真は普通のボンレスハムですが、夫が生ハムとサニーレタスを挟んで食べたところ、「これは合うねー」と感激。あまりの美味しさに1個のつもりが2個も食べてしまいました。
それでは、作ってみましょう!サワー種を使うよりも短時間でできますが、発酵時間が長いので、朝から作り始めるのがおすすめです。


簡単ルイスレイパ
材料
- ヨーグルト 100g
- 低脂肪乳 100g なければ全乳でもいい
- インスタントドライイースト 5g
- モラセス 大さじ½ はちみつ、黒蜜でもいい
- ライ麦粉 150g
- 強力粉 40g
- 薄力粉 40g
- 塩 4g
作り方
- ボウルにヨーグルトと低脂肪乳を混ぜ、電子レンジで40℃位まで温める。インスタントドライイーストとモラセスを加えて混ぜ、ラップをして10分休ませる。
- ライ麦粉、強力粉、薄力粉、塩を加えヘラで粉けがなくなるまで混ぜる。捏ねなくても良い。ボウルにラップをして室温(25℃くらい)で45分発酵させる。
- 台にライ麦粉で打ち粉をし、生地を5等分にして乗せる(1個あたり約80g)。生地の上にも打ち粉をし、厚さ1cm、直径10cmくらいの円盤状に成形する。生地はベタベタしている。
- クッキングシートを敷いた天板に並べ、布巾をかけて室温(25℃くらい)で1時間発酵させる。発酵してもあまり膨らまない。
- 発酵を終えた生地に箸、またはフォークで穴を開ける。
- 220℃(ガスファンオーブン200℃)に予熱したオーブンで、25分焼く。
- 焼き上がったパンをオーブンから取り出し、手で触れるくらいまで粗熱が取れたら、パン切り包丁で半分に切る。完全に冷めて硬くなると切りにくくなるため、中がまだ温かく湿っている状態で切る。
- 乾燥しないように、切った面を合わせて冷ます。
動画
ヒント
焼きあがるとライ麦パン独特の良い香りがします。

温かいうちに横に切るのをお忘れなく!

バターを塗って、お好みの具を乗せてオープンサンドとして、または具を挟んでサンドイッチにするのもお勧めです。ロバニエミのマクドナルド風にハンバーガーにしてもいいかも?

このパンはフィンランドのサーモンスープにもよく合います。色々工夫してご自宅で手軽にフィンランドの味を楽しんでみてくださいね。