こんにちは。タイトルの通り、ファステラウンボーラを作りました。
ファステラウンボーラとは、四旬節の前に食べるデンマークのお菓子です。北欧で四旬節の前に食べるお菓子といえば、スウェーデンのセムラが有名ですね。フィンランドやノルウェーでも、セムラとよく似たお菓子が食べられています。
同じ北欧でもアイスランドの「ボッレル」は、セムラとは異なり、シュー生地で作られるのが特徴です。
では、デンマークのファステラウンボーラはどんなお菓子かというと、甘いパン生地でカスタードクリームなどの甘い具を包んだものです。スウェーデンのセムラが火曜日に食べられるのに対し、ファステラウンボーラは月曜日に食べるという違いがあります。また、北欧の菓子パンは具材を上に乗せることが多いのですが、ファステラウンボーラは日本の菓子パンのように具材を包み込んでいる点もユニークです。
もう一つの特徴は、バリエーションの豊富さ。初期のファステラウンボーラは、丸パンにカスタードやジャムを入れるシンプルなものでしたが、時代とともにアレンジが増えました。今ではフィリングやトッピングの豊富さだけでなく、生地がデニッシュやシュー生地だったり、見た目がまるでおしゃれな洋菓子のようなものまで登場しています。スウェーデンのセムラもさまざまなアレンジが生まれていますが、ファステラウンボーラの多様さには敵わない気がする。
実は、今年のファステラウンボーラの日は3月2日で、とっくに過ぎています。それなのに突然作ろうと思い立ったのは、デンマークの食文化ライター・くらもとさちこさんのメルマガを昨日受け取ったから。ファステラウンボーラについての新しい記事が紹介されていて、読んでいるうちに食べたくなりました。
くらもちさんのファステラウンボーラに関する記事は下記リンク先からお読みいただけます。歴史や最近の傾向など詳しく書かれているので読み応えあります。
さて、幸いクラシックなカスタードクリーム入りのファステラウンボーラは家にある材料で作れるので「思い立ったが吉日」!

今回は、フィンランドのリンゴンベリーパウダーを振って、赤い色が可愛い雰囲気に仕上げました。レシピは下記リンク先からどうぞ。
ところでファステラウンボーラを食べる「ファステラウンの日」には、19世紀末まで悪の象徴とされた黒猫を樽に入れ、それが割れるまで棒で叩くという風習がありました。現在ではさすがに残酷だということで、黒猫の絵が描かれた樽にお菓子を入れ、子どもたちがそれを叩き割ってお菓子をもらう、という楽しいお祭りになっています。
撮影中のファステラウンボーラに手を伸ばすうちの悪い子。

200年前だったら樽に入れられちゃうよ!