塩キャラメルクッキーKolasnittar/コーラスニッタル

今年の5月にスウェーデンのフードスタイリストであるサンナさんの家でスウェーデンの伝統的なクッキーKolasnittar/コーラスニッタルをご馳走になりました。Kola/コーラはスウェーデン語でキャラメル。Snittar/スニッタルはカットしたもののことで、この場合はクッキー生地をカットして作っていることを指します。

スニッタルにはプレーンなものからチョコレートなど様々な風味を加えたものがありますが、コーラスニッタルは塩キャラメル風味のクッキーで、パラっと振りかけた塩が味を引き立て、甘じょっぱい味わいがクセになります。

日本に戻ったら作ろうと思っていたのですが、何せ今年は140年ぶりの猛暑。バターが多いレシピはうまく出来ないので夏が終わるのを待っていました。ところが10月になっても半袖で過ごせるくらいの暑さ。涼しくなるのを待っていたらなんと11月になってしまいました(数日前から急に寒くなって、いま暖房をつけセーターを着ています)。

半年待っている間にレシピを練り上げていました。まず、キャラメル味の決め手「Ljus sirap(ライトシロップ)」は日本では手に入らない。代用にイギリスのゴールデンシロップが使えるらしいのですが、たった大さじ1(しかも半分量で作るつもりなので大さじ1/2)のためにゴールデンシロップ買うか?買わないよね。

何かいい方法ないかなと考えていると、ふとライトシロップのパッケージのキャラメルに目が留まりました。

スウェーデンではクリスマスの伝統としてキャラメルを手作りし、その材料にライトシロップが使われます。ということは、逆も真なりじゃない?乱暴な発想ですが、逆に市販のキャラメルを溶かしてシロップを作ればいいんじゃないかしらと。

キャラメルの溶かし方を考え、更に他の分量と材料、工程を試行錯誤しながら試作を繰り返しました。あまり材料を増やしたくないので、薄力粉だけで作りたかったのですが、どうしてもベタベタとしてしまうので強力粉を少し加え(スウェーデンの小麦粉はグルテン量が日本の薄力粉より多い)試作4回目にしてようやくレシピ完成!

外側ザクザクで中心に僅かにキャラメルのねっとりした歯ごたえと食感の違いがいい感じ。

なお、試作の段階でサンナさんと同じく塩を振ってみたら塩辛すぎたので、結局振りかけないレシピにしました。頂いたレシピに特に書いていませんでしたが、サンナさんは無塩バターだったのかも知れません。あるいはスウェーデンとはバターの塩の量が違うのか?

それではレシピをどうぞ。なお、動画ではバニラシュガーを使っていますが、日本では入手が難しいのでバニラエッセンスで代用するレシピにしています。

印刷

塩キャラメルクッキー/コーラスニッタル

Kolasnittar
分量 16 ~18枚分

材料

  • キャラメル 1個(5g)
  • 水 小さじ1½
  • 薄力粉 55g
  • 強力粉 15g
  • ベーキングパウダー 小さじ½
  • ジンジャーパウダー 小さじ½
  • 有塩バター 50g 小さく切って室温に戻しておく
  • グラニュー糖 40g
  • バニラエッセンス 適量

作り方

  • キャラメルと水を器に入れ、沸騰して溢れないように様子を見ながら、電子レンジで30秒加熱する。かき混ぜて完全に溶かし冷ましておく(溶けきれないなら5秒ずつ追加で加熱する)。
  • 薄力粉、強力粉、ベーキングパウダー、ジンジャーパウダーを混ぜておく。
  • ボウルにバター、グラニュー糖、①のキャラメルシロップ、バニラエッセンスを入れ、電動泡だて器でクリーム状になるまでかき混ぜる。②の粉類を半分くらいずつ加えながら更にかき混ぜる。
  • 台に生地を出し、捏ねないように気を付けながら生地を押しまとめ、ひとかたまりにする。この時ベタベタしすぎるようなら一旦冷蔵庫で冷やす。
  • ④の生地を二つに分け、それぞれを長さ20cmくらいの棒状に丸め、クッキングシートを敷いた天板に並べる。焼くと生地が広がるので、天板と生地同士に十分に間を取る。
  • 生地を指で押さえながら厚さ7mmくらいまで潰して広げる。好みでフォークを使って飾りをつける。
  • 180℃に予熱したオーブンでいい焼き色がつくまで12~14分焼く。
  • 焼き上がったら数分冷まし、生地がまだ熱く柔らかいうちに包丁を使って1.5~2cm幅の斜めに切る。そのまま冷ます。冷めたら湿気ないように密封容器に入れる。

動画

ヒント

有塩バターの代わりに無塩バターを使い、焼く前に粗塩を軽く振っても良い。
生地がやや扱いにくくなるが、薄力粉だけでも作れる。
ジンジャーパウダーは無くても良い。

試作も含めて沢山作ったのでスウェーデン語の先生におすそ分けしたところ「うわー!おばあちゃんがいつも作ってくれていたやつ!誰よりも僕にあげるのが一番正解だよ!」と大興奮してくれました。スウェーデン人にはあたたかな思い出と共にある味なのかも知れません。

ところで改めてサンナさんの写真を見ると私の作った物より薄く、焼き色が強いです。もう少し薄くしても良かったのかも。まあ、この点に関しては、正直これ以上食べたくない(連日の試作で大量のクッキーが…)ので、充分美味しい出来上がりの4回目のこれで完成とさせていただき、次回の課題にします!

コーラスニッタルは型抜きや成型の手間が無く、材料さえあればパパっと作れるバタークッキーです。ささっと作ってお好きな飲み物と一緒にフィーカをお楽しみください。

【この記事をシェア】

コメントを残す

関連投稿

検索語を上に入力し、 Enter キーを押して検索します。キャンセルするには ESC を押してください。

トップに戻る