フィンランドの夏料理と言えばベリーのお菓子と野菜のスープ『ケサケイット/Kesäkeitto』。Kesäとはフィンランド語で夏、Keittoはスープです。夏に採れる様々な野菜を使って牛乳を入れた優しい味のスープです。
日本と違って、フィンランドの夏は新鮮な野菜が収穫できる季節。スープに使われる定番の野菜は、新人参、カリフラワー、エンドウ豆、新じゃが芋。そう、日本でいえば春の野菜です。
ケサケイットは特に1940年代の戦時中に良く作られました。食糧難のため、庭で収穫した野菜を使ったからです。そのせいでスウェーデン系フィンランド人たちはスウェーデン語で「snålsoppa(けちんぼスープ)」と呼んでいたとか。
夏になったし作ってみようかなと思ったものの、フィンランドのようにスープを主食にリットル単位で作るならともかく、日本の家庭で作る量のために、少しずつ野菜を集めるのってちょっと無駄が多い。特にカリフラワーなんて日本では高価なのに、4分の1程度のために買うのは「けちんぼ」どころか「贅沢」スープ。
作ろうかと頭に浮かんでは消えていたある日、冷凍の洋風野菜ミックスが目に入りました。野菜の種類といい、ミックス具合といい、分量といい、ケサケイットを作るのにパーフェクトではないか。
ええ、分かっています。ケサケイットが季節の新鮮野菜を使うのがコンセプトだってことは。でも日本とフィンランドでは環境が違うのだから、いいではないか。まずは気楽に作ってみて、機会があれば新鮮野菜で作ってみてはいかがでしょうか?
ところで、多くのフィンランドのレシピではコンソメは入れないのですが、物足りないので入れました。お出しの国の人だもの。
夏のスープ『ケサケイット』
材料
- 冷凍洋風野菜ミックス 1袋(300g)
- じゃが芋 200g 煮崩れない種類
- 水 400cc
- コンソメ 1個
- 牛乳 180cc
- 小麦粉 大さじ1
- 砂糖 小さじ1
- バター 大さじ½
- 塩・胡椒 適量
- イタリアンパセリ、ディル、小葱などお好みの香草 みじん切り
作り方
- じゃが芋を一口大に切る。新じゃが芋なら皮を剥かない。
- 牛乳に小麦粉を入れてかき混ぜる。
- 鍋に水を入れコンソメとじゃが芋を入れて火にかける。沸騰したら弱火にして、串がすっと通るまで煮る(8分くらい)。
- 冷凍野菜を凍ったまま入れ再沸騰したら、牛乳+小麦粉と砂糖を入れる。冷凍野菜には既に火が通っているので茹ですぎないこと。
- 塩コショウをして味を調える。器に盛り、お好みの香草を振りかける。
動画
ヒント
お昼にライ麦パンと食べたら、夫が「肉は入っていないんでしょ?なんでこんなに美味しいのかな?」と言っていたので大成功です。お手軽にフィンランドの季節のメニューをどうぞ。
フィンランドのあるレシピには夏以外は冷凍野菜を使いましょうとあったからオッケーですね!