「リンゴの季節ですね!」なんて言うと、この真夏に何を言っているの?と思われてしまいそうです。
でも、夏になると季節が逆のニュージーランド産のリンゴが市場に並び始めます。これは2011年に輸入規制が緩和されたことによるものだとか。ニュージーランド産の「Jazz(ジャズ)」というリンゴは、小ぶりで酸味があり、リンゴを使ったお菓子作りにぴったり。しかも価格も手頃なのが嬉しいところ。毎年この時期になると、Jazzを使って何を作ろうかとワクワクします。

今年もスーパーで買い物をしていたら、Jazzが目に入り、とりあえずカゴに入れていました。リンゴは日持ちするので、まずは確保しておけば安心、と思って。さて何を作ろうかと考えて真っ先に思い浮かんだのが、ハッセルバックアップル。スウェーデン語で「Hasselbacksäpplen(ハッセルバックスエップレン)」といいます。4年ほど前、『北欧テイストの部屋づくり』のマリメッコ70周年特集企画のために作ったスウェーデンのお菓子なのですが、すっかりそのまま忘れていました。

これは、スウェーデンの伝統的なジャガイモ料理「ハッセルバックポテト」のアレンジ版で、リンゴに細かく切り込みを入れてオーブンで焼く、焼きリンゴの一種。比較的新しいお菓子なので、「リンゴに細かく切り目を入れて焼く」以外には特に決まったレシピはなく、さまざまなバリエーションがあります。今回は、私のお気に入りのレシピをご紹介しましょう。

リンゴと一緒に、バター・黒砂糖・オートミール・ナッツを混ぜたトッピングをのせて焼き、仕上げにカスタードソースをかけたもの。ナッツの香ばしさ、黒砂糖のコク、カスタードのまろやかな甘さがリンゴとよく合って、気がつけばペロリと食べてしまいました。「どうして今まで忘れていたんだろう?」と思うほど、美味しかった!

実は雑誌掲載時には、色がきれいに見えるようにあえて皮を残していたのですが、皮が固くてちょっと食べづらかったんですよね。なので今回は皮をむきました。やっぱり、見た目より味が大事!

先にXに写真だけアップしたところ、「じゃがいもにひき肉かと思った」とコメントをいただいて、思わず笑ってしまいました。そういえば以前、ほうれん草パンケーキにリンゴンベリージャムを添えた写真を載せたときにも、「よもぎパンケーキに餡子かと思った」と言われたことを思い出したましよ!
まあ、それはそれとして、気を取り直して——
レシピをどうぞ!絶対、見た目以上に美味しいから!

ハッセルバックアップル
用意するもの
- オーブン対応の器 今回は25cm角を使用
材料
カスタードソース
- 砂糖 20g
- 卵黄 1個分
- 薄力粉 小さじ1
- 牛乳 100㏄
- バニラエッセンス 適量
生地
- 溶かしバター 30g
- アーモンドダイス 50g
- 黒糖 40g なければ三温糖、上白糖でも可
- シナモンパウダー 小さじ½
- 酸味の強いリンゴ 500~600g 紅玉なら3個、Jazzなら4個
- 溶かしバター 10g 塗り用
- 砂糖 10g 塗り用
作り方
- カスタードソースを作る。耐熱ボウルに砂糖、卵黄、薄力粉を入れ、泡だて器で白っぽくなるまでよく混ぜる。牛乳を電子レンジで約1分加熱し、ボウルに少しずつ加えながらその都度しっかり混ぜる。 ラップをかけ、電子レンジで30秒加熱 → 取り出してよく混ぜる。さらに30秒加熱して再度混ぜる。バニラエッセンスを加え、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やしておく。
- リンゴの皮をむき、上下のガクとヘタを取り除き、中心の種の部分はスプーンでくり抜く。縦半分に切り、切り離さないように2~3mm幅の切り込みを入れる。両脇に菜箸を置くと、切り過ぎ防止になる。
- 耐熱容器にリンゴを並べる。 溶かしバター(30g)、オートミール、アーモンドダイス、黒糖、シナモンパウダーを混ぜ合わせ、リンゴのまわりに詰める。溶かしバター(10g)と砂糖を混ぜて、リンゴの上に塗る。 器をアルミホイルで覆う。
- 200℃に予熱したオーブンで20分焼く。アルミホイルを外し、さらに200℃で20分焼く。
- 器に盛りつけ、温かいうちにカスタードソースをかけて食べる。
動画
ヒント
焼きたての柔らかいリンゴとカリカリの香ばしいトッピング、それにとろりとかけたカスタードソースが絡んで、ひとくち食べれば幸せな気持ちに。見た目はちょっと地味ですが、食べたらきっと好きになるはず。夏に楽しむちょっと変化球の焼きリンゴ、ぜひお試しくださいね。

同じ特集記事で作ったフィンランドのイチゴのチーズケーキは、イチゴの季節になったらレシピをアップしますね(半年後かな?)。
オマケで、本家本元のハッセルバックポテトが何か知りたい方は下記のリンクからどうぞ!